ベーシックインカムをやるべき理由 Why We Should Give Free Money to Everyone

一言物申したい

ユートピアを目指そう

こんにちわんこそば。どうもクラッシャーKAZUMACHIです。

もう10月か。早いね。寒いね。

でも寒い冬にはホットコーヒーだよね!

なんか聞いた話だとコーヒーと言語学習と読書が脳に良いらしくて、コーヒー飲みながら外国語で書かれた本を読むと一石三鳥らしいのでそれをぼくはよくやってます。

いやー、あとそういえばようやくNBAのPreseasonが始まりましたね!

もう毎日バスケ見ちゃってますわ!

ユウタ・ワタナビー(渡辺雄太)は今年サンズでプレーしてますけど。ユウタはまだうまくなるんだね。毎シーズン上手くなってて本当にすごい。今年でNBA6年目か。ラプターズでプレーしてた時が懐かしいぜ。。。

シーズン自体は10月25日からスタートですけど、やっぱりNBAは日本で見るのが一番ですね。だって始まるのがこっちの時間だと東海岸の試合がだいたい午前9時くらいで、西海岸の試合が11時とかくらいだから、見ようと思えば1日2試合見れるからね。やばいでしょ。

朝NBAサイコー。日本に生まれてよかったーーーー。

というわけで急だけど、今回はなんでベーシックインカムをいますぐにでも導入すべきなのかの理由について書きたいと思います!

ベーシックインカムってみなさん知ってると思いますけど、一応説明すると、ベーシックインカム(今後は長いのでBIと表記します)とはすべての人がもらえるお金のことで、お金持ちであろうが、貧乏人であろうが、子供だろうが、大人だろうがみんなに平等に最低限の暮らし(ここをどのくらいのレベルにするかは議論が別れる)をするためのお金を配るシステムのことを言います。

このアイデアが最初に語られたのは1516年にトーマス・モアによって書かれた「ユートピア」という小説の中です。

そう考えるとそれからもう500年以上も経ってるんですよね。

このBIは現在イギリスで割と大きめな実験が行われようとしていますが、実はBIについての実験はもうすでに世界中で何度も行われてきていて、その効果についてのレポートもかなり出揃っていたのです!

以上で言ったことはすべて最近読んだある本の中で言及されていまして、その本にはBI以外にもさらに今後の未来におそらく起こるであろうことの考察が、色々な実験のデータなどともに書かれています。

もうちょっと下に見えちゃってますがその本というのがこちら!

オランダの歴史家で作家のRutger Bregman (ルトガー・ブレグマン)さんの「UTOPIA FOR REALISTS 邦題:隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日3時間労働」です!


ルトガーさん
1988年4月26日生まれ。35歳。オランダ出身。歴史家。作家。

この本は前回「運」について書いた記事で紹介したマイケル・サンデルさんの「Tyranny of Meirt 邦題:実力主義は正義か」に匹敵するくらい個人的にはやばい本でした。

クラッシャーが選ぶ人生の教科書にすべき本ベスト3にも入りました。(ちなみに「Tyranny of Meirt」もその内の1つ。)

これを読むのと読まないのではマジで世界の見方が変わりますわ!(少なくともぼくは変わりましたわ)

この本には新しい未来のアイデア(価値観)が存分に入っている本なので、気になる人は面白いので是非一度読んで見てね。

前回の記事でも少し触れましたが、そういったBIとかの未来の価値観をその時代が来る前に本とか読んで自分にインストールしておくと、今の世界の変なとことかおかしなところに気づけるので、ぼくはこの未来の価値観のインストールは今後も継続してやっていきたいと思ってます。

ちなみに余談ですが、ぼくの好きなYouTuberの岡田斗司夫さんは、未来予測により生まれる格差のことを未来格差と呼んでました。

というわけで前置きはこれくらいにして、早速本題に入りまSHOW TIME!

ベーシックインカムを導入すべき理由

で、なんでBIを今すぐにでも導入すべきなのかについて書いていくんですが、例によって本人解説動画を発見してしまったので、それを見てもらった方がぶっちゃけ早いし、わかりやすいので読むのめんどい人はもうそれ見てください!(翻訳つけれます)

ルトガーさん本人がTED Talkで15分くらいで説明している動画①

さらにその2年後に「貧困の原因はその人が怠惰だからじゃない」ことを説明したTED Talkの中でもBIについて詳しく解説していて、それも見るとより理解が深まるかもなので、それも一応貼っときます!1個目の動画だけでも十分だとは思いますが!

ルトガーさん本人がTED Talkで15分くらいで説明している動画②

動画の中では、BIについて懐疑的な人がよく抱く3つの疑問
1、予算的に無理じゃね?
2、みんな働かなくなるのでは?
3、てかそんなのどうせ実現不可能でしょ?
にも的確に答えてくれているので面白いですよ。

まあとは言っても本の中だけで言及されているようなこともあるので、今回はそう言った部分をメインにしながらBIを導入すべき理由についてここでは書いてみたいと思います!(動画と重複してる部分もたくさん出てきてしまうとは思いますが)

なので、動画見てもいいし、このブログを補助的な感じで見てもらってもいいし、なんならもう本読んでみてもらってもいいしって感じで、BI信者のぼくとしては、このブログを通して、ただただ皆さんにもBIについて少しでも知ってもらえたら嬉しいと思っておる所存でございマッスル。

前置きが二重になっちゃいましたが、それでは行きましょう。ベーシックインカムを導入すべき理由はこいつらやで!

1、BI実験の示す数字とデータ

まずは単純に今までグローバルサウスと呼ばれる複数の発展途上国で行われてきた数々のBI(またはそれに準ずるもの、基本的には短期的に貧困者へお金を配るもの)の実験が、その導入のメリットを多く示しています。

少し例を挙げると、

①ケニア
マサチューセッツ工科大学(MIT)がアメリカの慈善団体ギブディレクトリー(GiveDirectly)によるケニア西部にある村で行われた実験(2013年ごろ)を分析したところ、その村の人々の収入が38%上がり、自宅の所有と家畜の所有の割合が58%上がり、子供達の飢餓の割合が42%下がった。
この結果を受けてグーグルが約2億5千万円の寄付をすることを決め、他にもNBAやCanvaといった様々な企業やグループがこの団体に寄付をしていて、2017年からケニア、マラウイ、リベリアで最長12年間の(村によっては2年間)の長期実験を実施中。

②ウガンダ
2008年にウガンダ政府が約400ドルを16歳から35歳までの12000人に配った実験では、5年後に結果を検証したところ、多くの人が教育や起業にお金を使ったことで、受給者の収入が約50%アップし、さらに雇用される確率が60%以上も上がっていた。
さらにその後、ウガンダ政府は貧困の女性1800人にも150ドルを配ったところ、彼女らの収入が100%上がった。350ドルのコストがかかる援助支援員からサポートを受けた女性の方がBIを受けた女性よりも少しだけ多くの恩恵を受けていたが、研究者がその後検証したところ、その援助支援員分の給料をBIとして配った方がずっと効率的であったとの計算結果がでた。

③リベリア
まず面白いデータとして、貧困者にお金を配ると彼らはそのお金をあるものに使わなくなる。それはお酒とタバコだ。
ワールドバンクのデータによると、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアで検証されたBI実験のケース82%でタバコとお酒の消費量が下がった。
そしてリベリアでアルコールなどの中毒者、犯罪歴のあるスラムの人々に200ドルを配った実験では、彼らは酒やタバコを買う代わりに、食料や衣服、医療品、そしてスモールビジネスにそのお金を使った。

④その他の結果
マンチェスター大学の教授陣たちが多くのデータを提供している本「Just Give Money to the Poor (貧困にはフリーマニーを)」によるとBIによる恩恵としては以下のものが書かれている。

・ナミビア
栄養失調の割合 42%→10%
不登校率 40%→ほぼ0%
犯罪率 42%ダウン

・マラウイ
女児と女性の学校出席率 40%アップ

その他にもマンチェスター大学の検証として、
1、世帯はBIを良い用途に使う
2、貧困の減少
3、収入に関して様々な長期的な恩恵がある
4、BI以外の代替プログラムよりもコストが安い
などをBI導入の主な恩恵として上げている。

といった具合で多くのBIのデータがもうすでにかなり集まってきているのがわかると思います。さらに一般に言われているBIの恩恵としては犯罪、子供の死亡率、栄養失調、十代での妊娠や不登校などの減少、学業成績の向上、経済成長、男女平等などが上げられます。

経済学者のチャールズ・ケニーは「貧困者が貧困なのは十分なお金がないからで、その問題解決にはお金を配ることが最善策だと聞いてもそれにはなんの驚きもない。」と話してます。

また、ギブディレクトリーの設立者の一人で代表のマイケル・フェイは「我々は魚を与えないし、ましてや魚の釣り方も教えない。ただ現金(キャッシュ)を渡すだけだ。貧困者のエキスパートは貧困者自身で、彼らが何を必要としているのかはどんな専門家よりも彼ら自身が一番よく知っている。」と述べています。

2、カナダのミンカムとBI実現まであと一歩だったアメリカ

もちろんBIの実験が行われてきたのはアフリカの諸外国を含むグローバルサウスの貧しい国々だけではなく、ヨーロッパやアメリカ、カナダなどの北米でも行われてきました。


※参考資料:アメリカの慈善団体ギブディレクトリー(GiveDirectly)が出しているメジャーなBI実験の一覧

例えば1975年から78年にカナダのダーフィンで行われたBI実験「ミンカム」では以下の結果が出ました。

①多くの心配の声とは裏腹に人々の総労働時間はあまり減らず、男性1%減、既婚女性3%減、未婚女性5%減にとどまった。さらに女性は数ヶ月の産休を使うようになり、学生もより長く学校にとどまるようになった。

②そして最も驚くべきは入院率が最大で8.5%減ったことで、さらにDVとメンタルヘルスにかかる患者も減った。先進国におけるヘルスケアの費用を考えると、その財政上のインパクトはかなり大きいものになるだろうと予想されている。

③しかしこの実験はBI実験を実施した政権が倒れたことで、実験は途中で打ち切りとなり、多くの人々がこの計画に懐疑的だったことから、実験の検証の費用を出すことさえ反対し、その後2009年にマニトバ大学のエブリン・フォージェイ教授がその資料を検証するまで、カナダの国立保管所に2000箱ものボックスにその資料は眠らされていた。

というわけで、「ミンカム」は結果は良かったけど時代背景のせいで計画自体が頓挫したって感じですかね。

そしてアメリカでは実はもう少しでBIが実現する手前まで行っていた歴史があります。

・1964年に第36代アメリカ大統領リンドン・B・ジョンソンが「貧困への戦争」を宣言したのち、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、アイオワ州、ノースキャロライナ州、インディアナ州、シアトル、デンバーで約8500人以上のアメリカ人を対象とした大規模なBIの実験が行われた。

その結果、カナダのミンカムでの結果のように、労働時間はあまり変わらず、その下がった分もみんな大学の学位をとったりなどの教育、または芸術などのために時間を費やすようになり、高校の卒業率も上がった。

そして1968年の8月にニクソン大統領はBIの法案を議会に提出しました。その後1970年に賛成243、反対155で下院を通過したが上院で民主党員の「より予算をかけたBIを実現すべき」との理由で否決された。その次の年、より予算をかけ改善されたBI法案を再度議会に提出し、下院を賛成288、反対132で通過しましたが、上院でまた否決された。

そして1978年にBIのせいで離婚の数が50%上昇したとの衝撃的な研究結果が発表され、それまで言われた学力や健康面の向上などのメリットから皆の目がそれてしまった。しかし10年後、そのデータの再度の検証の結果その数値は間違いで、離婚率は全く変わらなかったことが判明した。

という感じで、アメリカもカナダのようになんやかんやでBIが実現しなかった奇妙な歴史がありました。

まあそりゃ考えてみれば、もうBIのアイデア自体が生まれてから500年以上経ってるわけだから、誰もそれについて実験してみようと思わないわけがないよね。なんかもうあとはやる気の問題だけな気がしてきたわ。

3、その他の理由

このようにしてBIの辿ってきた実験の歴史は意外にも長く古いです。

1948年に国連が出した「世界人権宣言」の第25条にもBIを導入すべきという記述があります。

さらに財政面でもアメリカの貧困を根絶するのに必要なコストはGDPの1%以下の1750億ドル(26.2兆円 現在のレート計算)で済むと言われていて、アフガニスタンとイラク戦争でかかったコストが4兆〜6兆ドル(600兆円〜898兆円 現在のレート計算)と言われているので、戦争に勝つより、貧困に勝つの方が全然簡単かもしれません。

そして数々のBI実験が示している通り、人はBIをもらっても働き続けますし、貧困者は自分たちに何が必要かをわかってます。

貧困者に対する給付金のための無駄なペーパーワークや、承認のための調査、その後の仕事の斡旋のサポート、アシスタントワーカーへの給料などそのすべての費用をBIとして配った方が効率的なことは今までの実験からも明らかです。

現在の福祉システムは、社会で働く人がほとんどが男性で、しかも一つの会社でずっと働き続けていた時代に作られたものです。そして年金や終身雇用なども安定した仕事につけた幸運な人たちに有利なシステムになっています。

聖書に「働かざるもの食うべからず」という有名な一節がありますが、それはもう現代では通用しません。なぜなら今後人間ができる仕事はますます減っていき、みんなが安定した仕事に就ける可能性は限りなく少なくなるであろうと思われるからです。

しかしこの原則で生きている人がまだほとんどだと思いますし、これはまた差別や不平等を助長する免罪符としても働くので危険です。

作者のルトガーさんは「ベーシックインカムは恩恵ではなく、権利だ」と話します。

そして、上記で話したようなBIのメリットが少しづつでも世間に浸透してくれば、その実現は少しづつでも可能であるとも話しています。

確かに世界はその80億人が別に争わなくても、協力すればみんなで生きていけるほど豊かになったはずなので、生まれた国やできる仕事によって生存を左右されることがないよう、この世界で生きていける権利をBIとして確実のものとする方が人類のためになると僕は思っています。

世界はアイデアに一生追いつけない

動画内でもルトガーさんが言っていましたが、ユートピア(新しい価値観やアイデアが実現した世界)に到達するには時間がかかります。しかもそれは多くの人にとっては最初は馬鹿げた考えに聞こえることが多いです。

でも私たちは少しづつですが、人類が思い描いてきたユートピアに着実に進んできています。

奴隷制の廃止、民主主義の実現、男女平等、医療の拡充、子供の人権、教育の無償化(日本はまだだけど一部の国では)などなど。

ただ本の中でルトガーさんも言っていましたが、資本主義の世の中でお金を稼いで個人個人がより豊かになるための競争をしすぎた結果、優秀な人材がお金儲けのためにその能力を使うことになり、人類の進化が今一回スローダウンしているんじゃないかなと僕も思っています。

19世紀、20世紀の頭のいい人たちが夢見たユートピアは本当だったらもうとっくに実現していてもおかしくなかったのに、そう考えると本当もったいないですよね。

豊かさを目指しすぎた弊害とでもいうのか。地球環境も壊して、人類はユートピアを目指すはずがこのままだとディストピアに行き着きそうですね。

多分このペースだとBIの実現さえあと2、30年はかかりそうなので、ぼくはもう既に存在している仮初めのBI=生活保護をもらいながらスモールビジネスを勝手に始めてようと思います。

工夫次第では今あるシステムの中でも仮のユートピアを実現することはある程度は可能だと思っているので、政治で制度を変えるより今ある制度の中でみんなで既成事実を作り、無理やり世界を目指すべき方向へ引っ張って行くほうが早いんじゃねって個人的には思ってます。

どうせ上の世代が生きている間はその既得権益を手放すつもりはないだろうし、死ぬ前にできるだけ人よりいい思いして死にたいと思っている勘違いが多いせいで、今の世の中は停滞しまくってると思うので、ぼくは逆にもう早めにそういった無駄な競争社会からは引退して、次の世代のためにできることを少しづつでもやっていこうと思っています!

終わり

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