日本人が知るべき言語学習の常識 Language Acquisition Part 1

英語

日本の英語教育

どうもこんにちは!クラッシャーでっすー!

突然ですがみなさん、日本の英語教育についてどう思いますか?

僕は全然あかんと思ってます。すぐさま文部科学大臣になって改革に取り組みたいくらいあかんと思ってます。

まず学校の英語といえば、文法英単語の暗記!

僕も学生時代は英文法や英単語をめちゃくちゃ勉強していたので、以前の僕は「英語を話せるようになるには文法の勉強と単語力が不可欠だぜぇ!」と心から思っていました。(過去形です)

しかし、YouTubeである人物・・・・に出会ってから僕の英語学習についての考え方は大きく180度変わりました。

 

その人物とは…

 

Stephen Krashen (スティーブン・クラッシェン)さんです!

 

誰やねんこのおっさん!って思った方しかいないと思います。

しかしこの人は本当にすごいんですよ!
いやーもっと早くに出会いたかった…

まあまずはこの方のプロフィールを簡単にまとめまっする!

Stephen D. Krashen (スティーブン・D・クラッシェン)

1941年5月14日生まれ 81才

南カリフォルニア大学の名誉教授。当初は同大学の言語学科に所属していたが、1994年に教育学部に移籍した。言語学者・教育学者であると同時に、政治活動家としても知られている。

クラッシェンは1972年に第二言語習得論、バイリンガル教育論、読書教育論に貢献してきた。特に、第二言語習得論における多数の仮説を提唱したことで知られている。

出典Wikipedia

ということで、この人は言語学の権威的存在のおじいちゃんです!

上記の通りこの方が提唱している第二言語習得に関する5つの仮説があるのですが、実際に読んでみたところ、僕の今までの経験から考えてもとても納得できる部分が多く、言語学習を始める全ての人がまず読むべき参考書がこの5つの仮説なんじゃないかと思っています。

それではその5つの仮説とは一体どのようなものなのか、1つずつ解説していきたいと思います!

英語に限らず何か新しい言語を学びたいと思っている方はぜひ読んでみてください!(めっちゃ長いよ!ただその価値は20年分!😜)

クラッシェンの5つの仮説

①The Acquisition-Learning Hypothesis (獲得と学習の仮説)

まず最初に提言されている仮説が「The Acquisition-Learning Hypothesis (獲得と学習の仮説)」!

これはどんな仮説かというと、言語能力を高めるには二通りの方法があるというもの。
1つが「言語を獲得する」方法、もう1つが「言語を学習する」方法で、「言語を獲得する」方法が「言語を学習する」方法よりも圧倒的に効果的であると主張しています。

ではそれぞれの定義をもう少し詳しく見ていきましょう。

「言語を獲得する」方法

まず、この「言語を獲得する」プロセスは無意識下で行われます。例えば、新しい何か知識などを得たとしても、本人はそれを獲得したことには気づけず、勝手に脳内に蓄えられていくらしいです。
「言語を獲得する方法」に関する研究によると、子供でも大人でも無意識的に言語を獲得していくことは可能だと言われていて、話し言葉と書き言葉両方とも獲得可能みたいです。この言語獲得のプロセスは言い換えると言語を拾い上げていくようなものらしく、外国に留学した人がある程度その国の言葉を話せるようになって帰ってくるのは、この「言語を獲得する」プロセスが本人の自覚なく働いていたってことでしょうかね。

それでは具体的にどのように言語は獲得されていくのか?
「言語を獲得する」方法はめっちゃ簡単です

 

言語が獲得されるのは、あなたがあるメッセージを受け取り、そのメッセージを理解できた時です!

 

いーっじょう(以上)!!!(厚切りジェイソン風)

 

何も難しいことはありません。何か本を読んだり、何か人が話すのを聞いたりして、そのメッセージを理解できた時、人は言語を(勝手に)獲得していくらしいです。
専門用語ではこのメッセージのことを「Comprehensible Input (理解可能なインプット)」と言います。クラッシェンが言うには、言語学習はこの理解可能なインプットだけをしていればいいみたいです。

詳しくは後述の第4の仮説で説明しますが、基本的には言語学習でやることは以上です。ですのでみなさん、残念でしたね。学校で勉強してきたあの英語の時間はほぼ無駄でしたぁぁあああ!あーヒャっヒャっヒャーーー!(涙目)

まあ、完全な無駄ではないだろうけど、めっちゃ効率悪かっただろうってことは確かです!
僕はこの事実を知った時に(まあ仮説なので断言まではしませんが)今まで文部科学省一体何をやってきたの?って真面目に思いました。時間を返せえぇ!
なにせこの仮説はもう1970年代後半ごろには「The Natural Aproach」と呼ばれる具体的な言語学習の方法にまで昇華されていたのですから。

まあ学校の英語教育の目的が、そもそもその言語を獲得させるためのものではなかった、と言われればそれまでですが。。。😞

「言語を学習する」方法

これはみなさんご存知の、文法の勉強とか単語の暗記とかの言語を意識的に学習するプロセスのことです。先ほどの「言語を獲得する」方法に比べると、この方法は言語能力を高めるには効果がめちゃくちゃ低いと言われています。なんなら文法は勉強するなと言われています。(これは第3の仮説のところでまた詳しく説明します。)

中高でめっちゃ文法勉強させられてこれかよと、でも確かに言われてみれば、僕は23歳の時カナダに1年間留学してたんですが、最初3ヶ月ほどは現地の語学学校に通ってて、そこで出会ったブラジル人やヨーロッパの人たちは僕より英文法の知識が全然ないのに僕より全然すごい早さで英語をベラベラと喋っていました。😊

…まあそういうことです。みなさんも持っている文法書をいますぐ捨ててください。

 

②The Natural Order Hypothesis (自然な獲得順序の仮説)

第2の仮説は「The Natural Order Hypothesis (自然な獲得順序の仮説)」!

これはどんな仮説なのかというと、言語はある程度予測可能な順番で獲得されていくというものです。これは例えば、ある文法事項は学習初期に獲得されるが、別の文法事項は学習を始めてしばらくたってからじゃないと獲得されないといった具合です。ポケモンでいうゼニガメはレベル10で「みずでっぽう」を覚えるが、レベル50にならないと「ふぶき」は覚えないみたいなことです。

また、第一言語(母語)と第二言語でこの獲得の順序は似ているが多少違いがあるそうで、第一言語で、例えば現在進行形(-ing)は比較的早くに獲得され、三人称単数(動詞にs)はその6ヶ月から1年後に獲得されるのに対し、第二言語では現在進行形(-ing)は同じように比較的早くに獲得されるが、三人称単数(動詞にs)はその後全く獲得されないことがあるみたいです!

カナダでもこういう人見ました。英語ペラペラなのに動詞にsついてないなぁみたいな人。でもクラッシェンがいうにはこれはよくあることみたいです。
こういう「流暢だけど文法おかしい」は初期の第二言語学習者あるあるなのかもしれないですね。

また、この獲得の順序には個人差があるみたいですが、平均的にはだいたいみんな同じような順序で言語を獲得していくみたいです。

あとクラッシェンはこの獲得の順序についてさらに3つの驚くべきポイントがあったと言っています。それが…

  1. 簡単なことから複雑なことに沿って獲得されるわけではない。
    一見簡単そうに見えること(三人称単数など)が後になって獲得されたり、一見複雑そうなことが早期に獲得されたりするので、授業カリキュラムを組むのはかなり難しいと言われています。これは言語学者にとって簡単そうに見えることでも、後になってから獲得されたりするかもしれないからですよね。
  2. 「自然な獲得順序」は意図的な教育によって変更できない
    自然な獲得順序は講義や問題ドリルなどによって無理やり変更することはできない。たとえ先生が生徒に三人称単数を数週間教え込んだとしても、その生徒の準備ができていない場合は獲得されない。これは生徒が言語学習において大きなフラストレーションを感じてしまうことと辻褄が合いまくっていますね。
  3. 自然な獲得順序に合わせて教えることはできない
    じゃあ自然な獲得順序に合わせて教えればいいじゃんという人がいるかもしれないが、それはできないらしいです。なぜかは第4の仮説のときに説明します!

ということで2つ目の仮説は言語には自然な獲得の順序があるんだよというお話でした。

こんなん聞いたらもう学校の英語なんてますますやる意味ないじゃんって感じですよね。だって獲得できる順番決まってるんだもん!ポケモンでいうところの、レベル5のゼニガメにいきなり、ちょっとお前今から四天王のとこ行って挑戦してこい、って言うようなもんでしょ?もうやめて!あの亀のライフポイントはもう0よ!(遊戯王の次回予告風)

すいません、ちょっと長くなりすぎそうなので、パートを分けまっするね💪

次回 第3の仮説、「モニターの仮説」!

デュエルスタンバイ!

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