人生って全部運じゃね? The Tyranny of Merit

一言物申したい

この世界の勝者と敗者

ども!こんにちはですー。クラッシャーです!

突然なんですけども、実は最近ハマっているある価値観がありまして、今回は皆さんにそれをシェアしたいと思います。

これを知って以来、ぼくの人生観は180度から320度くらい変わったので、みなさんにもぜひ知ってほしいです!

では一体それはどんな価値観なのかというと、、、

「この世界の勝者と敗者の人生の状況の違いは、本当にその人の努力や頑張りによる結果なのか?」というものです。

この考え方を提唱した人物が、Michael J Sandel (マイケル・J・サンデル) さんという方で、ハーバード大学のロースクールの教授であり、哲学者です。

以下に簡単な紹介文を載せますね。


Michael J Sandel (マイケル・J・サンデル)

1953年3月5日生まれ 70歳

アメリカ合衆国の哲学者、政治哲学者、倫理学者。ハーバード大学ロースクールの教授。
彼のロースクールでの授業「Justice (ジャスティス)」はオンラインとテレビで無料で見ることができるハーバード大学で初のコースとなった。

この人の著書「The Tyranny of Merit What’s Become of the Common Good?」(邦題「実力も運のうち 能力主義は正義か?」)のなかで、サンデル教授は、「アメリカン・ドリーム」に代表されるような、努力をすればみんな良い暮らしができたり、より上の生活階級に上がって行くことができる、というような価値観に疑問を呈しています。

一見真実のように見えるこのアメリカンドリーム的な価値観ですが、なぜサンデル教授はこの考え方に違和感を覚えたのでしょうか?

成功者の地位は努力のおかげ?

具体的にまず成功者の定義ですが、例えばまあ日本だったらZOZOTOWNの前澤さんとかのことを思い浮かべて貰えばいいんじゃないですかね?(適当)
世界的には、アマゾンのCEOのジェフベゾズとか、テスラやスペースXのCEOイーロン・マスクなどの起業家や、サッカーのメッシとか、NBAのレブロン・ジェームスとかのスポーツ選手もこれに該当しますよね。

この人たちは年収とかで言ったらまあトップもトップですよね。

ちなみにイーロン・マスクの資産は185.5B USDなので日本円でいうと25兆円くらい。
ジェフ・ベゾスの資産は20兆円くらい。

メッシの年収は167億円で、レブロンの年収は61億円です。

世界のお金の総量についてはこちらのサイトが見やすいので、気になる人は見てみてください

とまあ、ちょっと脱線しましたが、

サンデル教授が話しているのは、以上のような人生における勝者たちの地位はすごい努力の上に成り立っているものだから、多額のお金などを報酬として受け取るのは当然で、人生における敗者(ぼくはこのような言い方は嫌いですが便宜上)が、生活に困っているのは、そもそもその人の努力が足りないからで、状況として良くなっていないのはその人の責任だみたいな考え方はどうなの?とういうものです。

世界的にもこのような勝者と敗者の格差はどんどん広がっていっていますしね。これは一度考えて見る価値がありそうです。

サンデル教授はこの、勝者と敗者の生まれる原因を自分自身におくことの危険性を本の中では特に提起しています。

「頑張れば成功できる!」というのは、逆をいえば、成功していないのは努力が足りないからだ!だからお前はもっと頑張れ!」ってことになりますよね、、、笑

でもその考え方は、もしみんなに平等の成功するチャンスが与えられていたらの話です。

しかし、当然みんなにそんな平等なチャンスなど与えられてはいないです。

じゃあ、いまの人生の結果はその人の責任、、、なの???

といったことが、この本の核となる考えです。

私たちは皆平等なのか?

では少し具体的に、「当然みんなにそんな平等なチャンスなどは与えられていない」と言える理由を説明したいと思います。

例えばアメリカのIvy League (アイビー・リーグ)というのをみなさんご存知でしょうか?

アイビー・リーグ(Ivy League)とは 、アメリカ合衆国北東部にある8つの私立大学の総称で、米国の政財界・学界・法曹界を先導する卒業生を数多く輩出している、アメリカを代表する超エリート大学群のことです。

構成大学は例えばコロンビア大学、イエール大学、ハーバード大学など、世界の大学ランキングなどでもいつもトップクラスに位置する難関校ばかりです。

このアイビー・リーグの生徒の割合ですが、サンデル教授が言うには、アメリカの上位1%の収入のある家庭の生徒数の方が、下位50パーセントの収入の家庭の生徒数より多いそうです。

そうなると、そもそもの生まれの家の収入によって有名大学に入れるのかどうかはある程度決まってしまうことになります。ちなみに日本でもこれとほぼ同じ現象が東大などの有名大学では起きています。

どこの大学出身なのかっていうことはその後の人生に大きな影響を及ぼしますから、それは当然生涯年収などにも影響していきます。そしてその家の子供がまた有名大学に入れる教育を受けることができて、大学に合格し大企業に就職し高収入になりというような富裕層ループが出来上がってしまいます。

これがアメリカよりもヨーロッパの方がアメリカンドリームが成功しやすいと言われる所以です!(つまりアメリカの方が上流階級にそもそも上昇しづらい構造になっている。)

あと、例えばさっきも言及したメッシですが、メッシにもみんなと同じ分の成功のチャンスが与えられていたんですかね?

そして、メッシの成功はメッシの努力によるもので、本当に彼はあの額の年収を受け取るのに値するんですかね?

メッシは確かに相当な努力をしてきたんだと思いますし、それは賞賛されるべきことだとも思います。そして、その努力の上での彼の成功なのでその年収は当然だと思う人も多いかもしれません。しかしながら、サンデルもいうように、彼が努力して成功できたのは個人的にはやっぱり運が良かったからだというのが一番しっくりきますね。

なぜなら、そもそもメッシがサッカーが上手いのは、まずサッカーが盛んな文化のある環境に生まれサッカーに興味をもてたこと、さらにサッカーに適した体格や運動能力を有していたこと、もっというと、そもそもサッカーがめっちゃ人気な時代にたまたま生まれることができたことなど、努力以外での成功できた要素があまりにも多いからです。

つまりこれは(これを才能と言ってもいいかもしれませんが)の上に築かれた努力ってことですなんかこう考えるとすんごい当たり前のことを言ってるだけのように聞こえますが、、、

でも、これをより小さい規模で捉えると、私たちの身近な状況すべてでこれは当てはまっている気がします。

算数の得意な人、足が早い人、歌がうまい人、ペン回しが得意な人、、、など。みんなそれぞれ何かしらの才能の元に生まれてきていますよね。でもそれはあなたが意識的に選べるものではないです。

ウサインボルトのコーチはウサインボルトよりも練習しているそうです。
でもそのコーチは絶対ウサインボルトより早く走ることはできないですよね?

今から僕がメッシよりサッカーの練習をしたとしても、1億%メッシには勝てないです。

つまりそもそもみんなに平等な成功できるチャンスなど与えられていない!

サンデル教授はそこから、もし成功の理由を自分のおかげだと認識してしまうと、そこに相手を見下す気持ちなどが生まれてしまったりして、人々の間に分断が生まれてしまうと話します。

そこで、サンデル教授はより良い社会を作るためにこの価値観をさらに発展させていきます!

サンデルの目指す社会

成功者たちは言います。

「君も私みたいに頑張れば成功できる!」と、

これはつまり心の中ではこうも思っているはずです。

「まあ、これでも成功できなかったらそれは君の責任だよ!」(ただの想像)

でもそのように話す”成功者”はこの社会にとって本当に大事にすべきポイントを3つも見失っています。

そのポイントとは、サンデル教授が「この社会に生きる人々みんなが改めて考えるべきポイント」だとして提起してくれています。

  1. 大学の役割
  2. 仕事の尊厳
  3. 成功の意味

1の大学の役割についてサンデルは、そもそもアメリカの3分の2の人々は大学の学位を持っていないし、大学に入学できるかどうかも運によるところが大きいので、有名大学の学位を使って成功のための武装強化をするよりも、自分の人生をよりよくしていくことにもっとフォーカスするべきだと話します。

2の仕事の尊厳については、稼いだ額のお金がその社会への貢献度ではないと言っています。
コロナで浮き彫りになったように、先生や、看護士さん、配達などの物流業界の方々、ごみ収集をしてくれる方々や、スーパーなどで働いてくれている方々など、社会への貢献度がとても高い人たちの頑張りを再認識しなければいけません。なぜなら彼らの仕事は私たちの命に関わるからです。そして、お金以外の指標で社会への貢献度を図って、特にこのようなエッセンシャルワーカーの人々の価値を社会のみんな全体で再定義していこうってことを言っています。

エッセンシャルワーカーの人々の年収は、恐らく誰でもできるだろうという理由から低い傾向にありますがそれは間違いです。本当はとても重大な社会的に価値のある仕事だからこそ高収入であるべきなのです。

その証拠に、1968年にアメリカのニューヨーク市でごみ収集員たちがデモを起こし、その結果ニューヨークの街はゴミで溢れかえり、9日後には当時の市長が緊急事態宣言を発令するにまで至りました。しかしそのおかげで人々はその仕事の重要性に気がつき、今ではニューヨークのごみ収集員の年収は5年半働けば8万3000ドル(日本円で1200万円)になってます。ニューヨーク市民にとってごみ収集員は街のヒーローとして考えられているのです。

3の成功の意味は、今まで話してきたように、その成功は自分の努力のおかげだと考えるのは適当なのか?ということですね。それは相手の気持ちになって考えるための思いやりの心をなくすきっかけになってしまいます。それが人々の分断につながります。
人生における成功というのはいろんな捉え方がありますし、その人なりの成功を探していければいいんじゃないかなと思ってます。

というわけで、長々と書いてしまいましたが、以上のようなことが今僕が「今後も大事にせなあかんなあ」と思った価値観です。

これを8分で端的にサンデル教授本人が説明したTEDの動画があってわかりやすいので、ぜひ見てみてください!(字幕ついてます!)

おい、それを最初に言えよと思った方!

全くその通りです!

というわけで今回は、たとえなんかあっても「まあ何事もだいたい全部運だからしゃーないわ」って思いながら気楽に楽しく生きていこうと思ったというお話でした!

じゃあまたね!

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