8ヶ国語を話す男!その勉強法とは?後編! Language Acquisition Part 5

英語

ジェフ・ブラウンメソッド「実践編」

こんにちわんこそば。クラッシャーKAZUMACHIです。

えー。前回はすいませんでした。まさか2記事に分れるとは。
まあ、でもよく考えたら最初に書いた言語獲得の記事も結局3つに分かれたから、今回は1個分少ないから頑張った方か!

というわけで、今回は言語獲得の最終章。ジェフ・ブラウンメソッドの「実践編」です。

実践編はステップ6〜ステップ12の計7ステップになっています。

実践編なので、ここからが実際にどうやって言語獲得をしていけばよいのか、8ヶ国語話せるジェフ・ブラウンさんが実際に使っているメソッドの紹介になります。

前編でも話した通り、このメソッドはYouTube動画 “How to Acquire any Language and NOT learn it.”「どんな言語も学習しないで”獲得”できる」の中でブラウン教授本人が自ら解説しているので、気になる方はそちらもぜひチェックしてみてください!

また最後に言語能力と遺伝の関係性についても少し触れてみようと思いますので、ぜひ最後までお読みくださいませ。
ちなみにジェフ・ブラウンメソッド「心構え編」の記事はこちらになりますので、まだ読んでない人はぜひこちらもチェックしてね。
それではジェフ・ブラウンメソッド「実践編」スターッッッッツ!

ステップ6 ラングエッジ・ペアレントを見つけよ!(できるだけ多く)

というわけで「実践編」の1つ目はラングエッジ・ペアレント(Language Parents)を見つけよ!です。

これは「心構え編」で説明した通り、言語習得を始めたばかりの私たちは赤ちゃんなんだと考えてください。なのでその言語を教えてくれる親が必要です。

つまりラングエッジ・ペアレントとはあなたが習得したい言語を話せる人で、かつあなたにその言語を教えてくれる人です。まずはそのラングエッジ・ペアレントを見つける必要があります。

「言語を習得したいならまず人探し。」なんていう諺もあるんだとかないんだとか。(すいませんないです。)

でもどこにそんな人いるの?と思うかもしれませんが、ラングエッジ・ペアレントを探す場所としては、

1、家族 2、友達 3、職場の同僚

この3つの中からまずは探して見ましょう。自分に近しい存在の中でラングエッジ・ペアレントが見つかれば1番いいですね。

しかしこの3つのカテゴリーから見つからない場合ももちろんあると思います。

そんな時は「トレード (Trades)」をしてください。

「トレード (Trades)」とは交換すること、つまりもし日本人のあなたが学びたい言語が英語だった場合、英語話者で日本語を学びたい人を見つけて一緒に教え合うということです。これを「ラングエッジ・エクスチェンジ (Language Exchange)」とも言います。

ブラウン教授が紹介しているトレード相手の場所として、地域のコミュニティにもし「ESL Classroom」があればそこで見つかると言っています。
※English as a Second Language (ESL)とは英語を第二言語として学んでいる人たちのための学習プログラムのこと。ESL ClassroomはESLを教えているクラスのこと。比較的小規模のものが多い。

日本で言えば、日本語の語学学校とか日本語を教えているコミュニティーがあればそこにトレード相手が見つけやすいってことですかね。

こういったコミュニテイがなければ、アプリを使いましょう!

今は「Meetup」や「Hallo Talk」となどを代表としたラングエッジ・エクスチェンジができるアプリがたくさん出ているので、そういったものを駆使して、できるだけたくさんのラングエッジ・ペアレントを見つけましょう!

ラングエッジ・ペアレント一人に対して教えてもらう時間の目安は1週間に2時間くらいがちょうどいいみたいです!

ステップ7 マジック

ステップ7はマジックです!

「は?」と思われた方が全員だと思いますが、このステップが1番重要なステップになります!

それでは無事にあなたがラングエッジ・ペアレントを何人か見つけたとします。トレードの相手でも問題ありません。

その後実際に会ってどこかのカフェとかでもいいですし、一緒のテーブルに座って、そしてさあ何をしたらいいのか?

マジックをしてください!(マジックと言っても手品のことではないです。)

ここでのマジックとは言語獲得のために毎回のセッションでメインでやることになるもので内容は2つに分かれます。

①「雑誌セクション」 ②「子供用のストーリーの書いてある本(絵本など)セクション」

この2つです!

つまりマジックとは「雑誌」と「子供用のストーリーの書いてある本(絵本など)」を使って行うセッションの総称です。

それぞれどのようにして行うのかを説明します。

まず①の「雑誌」セクションですが、これはセクション全体の約10〜20%ほどの時間を使って行ってください。(ブラウン教授はこの「雑誌」セクションからセッションを始めることをオススメしてます。)

やることはシンプルです。

1、写真の説明

まず何の言語で書かれていてもいいので、たくさんの写真が載っている雑誌をいくつか用意してください。そして、その雑誌の写真についてラングエッジ・ペアレントに習得したい言語で説明してもらってください。

2、Yes/No クエスション

あなたはその説明をよく聞いていればオッケーですが、ただそれだけだとつまらないので、ラングエッジ・ペアレントにあなたが「はい」または「いいえ」で答えられるその写真に関する質問をしてもらってください。

3、シンプルクエッション

そしてあなたもラングエッジ・ペアレントに質問をしましょう!これはあらかじめ用意しておいた簡単な質問でオッケーです。例えば「これは何?」「あれは何?」「この人は何をしているの?」「なぜ?」などです。(「なぜ?」の質問は特に言語獲得にはめちゃめちゃ大事だとブラウン教授は話します。)

①は以上です。

では次に②の「子供用のストーリーの書いてある本(絵本など)」のセクションです。
「心構え編」で説明した通り、ストーリーテリングがどんな言語を学ぶにおいても最も重要な学習法になるとブラウン教授は話します。ですので、あなたの言語習得の時間のほとんどをこのセクションに使ってください!
目安としてはセクション全体の約80〜90%ほどの時間になります。

1、ストーリーの説明

これもまず何の言語で書かれていてもいいので、子供用のストーリーが書いてある絵本を用意してください。子供用なのはできるだけ絵が大きく、テキストが小さいものであれば、学習したい言語のみで説明されても、ストーリーを追うことが簡単になるからです。

2、Yes/No クエスション 3、シンプルクエッション

そして①の「雑誌」セクション同様、あなたはその説明をよく聞いて、ラングエッジ・ペアレントにあなたが「はい」または「いいえ」で答えられるそのストーリーや絵に関する質問をしてもらってください。そしてあなたもラングエッジ・ペアレントに「これは何?」「あれは何?」「この人は何をしているの?」「なぜ?」などの質問をしてみましょう。

はい。というわけでマジックでやることは以上です。

さらに、マジックであなたがやる必要がないこともお話しします。

それはあなたはその本のお話を頑張って説明する必要はないってことです。

思い出してください。言語獲得は理解可能なインプットをすることです。なのであなたは聞いてるだけでいいのです。頑張って話して無理してアウトプットをする必要はないです。

セッションのルール

また、1時間から2時間の間のセッションを通して皆さんに守ってほしいルールがあります。

それは、、、

1、母語を話してはいけない
これはセッション中相手の言うことがわからなかったら、「ジェスチャー」や「絵を描く」などして、できるだけ母語を使わないようにしてください。そして相手も自分もどうしても理解できなくてスタックしたときは「まあこれはわかんなくてもいいや」と言って次のテーマに進んでください。笑
言語習得のコツとしてこういった理解できないことというのは頻発しますので、その時にイライラしてなんとか無理して理解しようとするのではなく、「まあわかんなくていっか。次いこ!次!」というスタンスでやることが重要です。

2、NO文法 NO修正
これらは前編で説明した通りなので説明は省きます。

以上のルールを守るとより効率的に言語獲得の機会をより多く得ることができます。

※ステップ7の説明全体をあなた自身がラングエッジ・ペアレントにする必要が出てくると思いますので、前編で生徒が先生に逆指導する状態が生まれると言ったのはこのためです。

ステップ8 TPR

メインの部分が終わったので、ここからはこのメソッドの補助的な部分になります。なのでできたらやったほうがいいやつって感じです。逆をいうとステップ7は絶対やってください。

ステップ8は「TPR」と呼ばれるもので、これは前編に出てきた「TPRS」のSが取れただけなので名前がかなり似ていますが全くの別物です。

「TPR」は「Total Physical Response」の略で、やることは「命令」です。

セッションの中でラングエッジ・ペアレントに「命令」をしてもらってください。
例えば「走れ」「ジャンプして」「叫べ」「寝ろ」とかの動詞やアクションの言葉を言ってもらってください。

あなたはそれを聞いてその演技をしてください。ただ実際にやるのは大変なやつもあると思うので、ものによっては手の平の上で指を動かしてその動きを表現するなどしてやるといいです。

1セクションで50〜100命令ほどを目安にやって、最終的には500命令をできるようになることを目標にやってみてください。

ステップ9 読め、読め、そして読め!

ステップ9はつまりは「読書」です!

これは文字を覚えたりなどの「言語学習」が必要になるので、必須のステップではないですがその効果は絶大です。

読むことによって、パズルのように今まで学んできたことがどんどん組み合わさっていきます。

文法は特に読むことによってより身についていくらしいですね。

読む量の目安としては週に100ページから150ページほど読むといいらしいです。ただこれはそのページの文字数によると思います。しかしその説明は動画内ではしていなかったので、これはあくまで目安ですかね。

ステップ10 i+1

ステップ10は「i+1」(読み方はアイプラスワン)です。

これは以前書いた言語獲得の記事のパート2のところで詳しく説明しているので、詳しくはそちらを参照して欲しいのですが、

「i+1」とは簡単にいうとラングエッジ・ペアレントにちょっとだけセッションの難易度をあげてもらうってことです。

やり方としては、ラングエッジ・ペアレントにこう言ってください。

「i+1ちょうだい」と。

ただこれだけだとラングエッジ・ペアレントはわけわかんねぇ状態に陥ると思うので、その説明をしてあげてください。

具体的には、今までただ雑誌などの写真の名前の説明だけだったのを、「こういうときに使う」とか、「私も最近これを買ってよく使っている」などと、今までよりは少し難しめの説明をしてもらうことによって、あなたの言語能力のさらなるレベルアップをはかるといったところです。

ステップ11 スマホ使ってみて

ステップ11は「スマホ」などを使ってセッションを録音するといいよってことです。

特にステップ7の子供用ストーリーセクションを録音すると、スマホにどんどんお話が溜まっていって、100ストーリーがいつでも聞き放題!のようにAmazon Music的な感じになるので、セッションが終わった後もお家で復習できるようになります。

ある言葉を身につけるには最低でも40回から50回の反復練習が必要になると言われているので、セッションついでに録音もすることで、オリジナルの反復練習教材を作れて、さらに復習の機会も増やせちゃいます。

ステップ12 語学留学せよ!(できれば)

というわけで長くなりましたが、最後のステップは「語学留学」です!

これは行く場所によっては結構なお金がかかるので絶対ではないですが、もし余裕があればぜひやってみてください!

ちなみにブラウン教授はアラビア語習得の1年間のプランとして以下のものを採用していました。

①始めの9ヶ月 自国 約500時間 (週10時間〜20時間)

②最後の3ヶ月 留学 約500時間 (週40時間〜50時間)

①でも②でもやることは今まで紹介してきた「トレード」などを中心としたセッションです。

僕もカナダで1年間の語学留学をした経験があるのでわかりますが、留学は本当にオススメです!

何より現地でその国の文化にじかに触れることができますし、英語のみの環境で生活することになるので言語獲得の機会も尋常じゃなかったです。(留学した当時は言語獲得についての知識はなかったので今思えばの話ですが)

なので余裕があればぜひ留学にもトライしてみてください!

Language is the only thing worth knowing, even poorly (言語だけは知っとけ、たとえ1mmでも)

以上でジェフ・ブラウンメソッドの説明は終わりです。

ここまで読んでいただいた方はありがとうございました。

ブラウン教授も言っていましたが、言語習得の目的は人それぞれ色々あると思いますが、実は副産物として言語学習をすると人生を通して付き合っていけるような新しい人間関係を作れます!

僕も今だに連絡取っている外国の友達が何人かいますし、それが1番の魅力といっても過言じゃないと思いますね。違う国の言語や文化を学ぶことで、日本人の友達だけじゃなくて、世界の他の国の友達のことについても考えることができるようになるので、自然と視野は広くなりますしね。

なのでみんなもぜひ外国語を学んでみてね!

そして最後にボーナスコンテンツの外国語習得と遺伝の関係ですが、経済作家の橘玲(たちばなあきら)さんの著書「言ってはいけない 残酷すぎる真実」の中での遺伝と環境の関係性のグラフによると、言語性知能または言語性IQ(Verbal Intelligence)の遺伝率は14%で環境の影響は86%、外国語の才能(Language-learning Aptitude)の遺伝率は50%で環境の影響も50%と書いてあり、身長や体重などの遺伝率に比べて、比較的環境による影響が強く出る能力領域であることがわかるので、全ての人が母語を話せるようになるように、第二、第三言語も母語を獲得するように勉強できれば、比較的容易に習得できるものだったんじゃないのかな?と思ってます。

なのでよく聞かれる「なんで日本人は6年間も英語勉強しているのに英語があまり話せないのか」の答えは

「言語を獲得しようとせずに学習しようとしているから」

ということになりますね。

うん!みんなすぐに英文法の参考書をブックオフに売ってこい!

それじゃあまたネッコがめっちゃかわいいから飼いたい!

 

 

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