なぜ人は夢を見るのか?その衝撃の力とは? Why We Dream? Part2

睡眠

睡眠の大事さ

こんちわ!クラッシャーでっす!

いやーバスケの日本代表戦があんなに面白いとは、、、

正直始まる前はあんまり期待してなかったんですが、特にフィンランド戦は僕が見たバスケの試合の中でもトップ5に入るくらいいい試合だったと思います!

僕はNBAのチーム「Toronto Raptors」のファンなのでNBAの試合はよく見ていたのですが、日本代表の試合もこれからは欠かさずチェックしたいなと思いますた。

あと河村くんめっちゃいいね。正直ファンになりましたわ。

120パーセントの実力が出たときはもしかしてNBAレベルだったんじゃないかな?

河村くんもインタビューで体を休めるのには昼寝するって言ってたので、やっぱり本で読んでた通り昼寝ってめっちゃ大事なんだなと思いましたね!
アスリートは特に睡眠についてはすごい気を使っているイメージがあるよね。

というわけで、このままバスケの話を永久にしたいところですが、今日は夢の効果の第2段「創造の保育器」について書きたいと思いまっする!

前回の夢の効果の第1弾「夢セラピー」についてまだ読んでいない方は、ぜひそちらの記事もチェックしてね!

それでは早速やっていきまっしょっい!!

創造の保育器

夢の持つ効果2つ目は「創造の保育器」です!

これはどんな効果なのかというと、例えば、最近得た新しい経験などを今までの経験とかと混ぜ合わせて、今まで解決不可能に思われたような問題なんかを、一晩で一気に解決してしまうような何か新しいアイデアを生み出したりする効果です。つまり夢にはアイデアを育てる能力があります

まあ簡単にいうと夢をみるとめっちゃクリエイティブになって、問題解決能力がすごい上がるで!というものです。

この「創造の保育器」の効果については昔から数多くの逸話が残されているので、まずはそれらを紹介したいと思います!

ドミトリ・メンデレーエフの元素周期表

みなさん中学校で元素周期表について勉強したと思いますが、実はその作成者であるロシアの化学者ドミトリ・メンデレーエフ(1834-1907)はその周期表を夢で見たと言うのです。

それまで彼はカードを作ってそこに元素名などを書き込み、何年もの間その法則性について考えていましたが、起きているうちにその考えが頭に浮かぶことはありませんでした。

しかしその時は突然訪れます。その法則を思いついたのはなんと夢の中で、そしてそれを見たのは1869年の2月17日のことでした。見た日付だけでなくその時の感想までちゃんと記録に残っています。

「夢で元素のカードたちが勝手に表に収まっていくのを見たんじゃ。起きてすぐにそれを紙に書き出したわい。あとで確認したら間違いはたったの1個じゃったよ」(見つけたのは35歳の時のはずなので言い回しはイメージです)

ビートルズの「イエスタデー」

イギリス出身の超有名バンド「The Beatles」の有名曲「Yesterday」と「Let It Be」もポールマッカートニーが夢で見たものです。

「Yesterday」を夢で見た時のポールの感想は以下の通りです。

「映画「Help!」の撮影中の時のことさ。自宅の屋根裏のベッドで寝てたらなんかすごいラブリーな曲で目覚めてさ。すごい!なんだ今のは!?って。すぐにベッドの横のピアノの前に座ったんだ。弾いて見たらコードがロジカルに進んで行って、特にメロディが好きだったね。こんな曲は今まで書いたことがなかったから、実際に自分が書いたなんてほんと信じられなかったよ。まさにマジックみたいだった」

その他の逸話たち

はい。といった具合で芸術系から医学系から、他にも様々な領域でこのような夢にまつわるクリエイティブなアイデアの逸話はたくさんあります。

ローリングストーンズのケイス・リチャーズの「Satisfaction」の有名なリフは1965年の5月7日のライブ後の夢の中で、小説家メアリー・シェリーの「Frankenstein」も夢で見たものが元になっていると言っていますし、フランスの詩人ポール・ボウクスは毎晩寝るときに部屋の前のドアノブに「作詩中につき、邪魔しないでね」というサインをぶら下げていたそう。

そして僕の大好きなロックバンド「L’Arc〜en〜Ciel」のリーダーでベーシストのtetsuyaさんも、自身が作曲した「瞳の住人」という曲について「この曲はどうやって作られたか」とインタビュアーに質問された際に、「夢の中でサビのメロディが出てきた」と。さらに「目が覚めたら、それまで夢の中で作ってたメロディが鳴ってるわけですよ。朝起きても。コレはすごい、と思って。だから俺が作ったんじゃないっちゃあ、ないのかなと答えています。

このように夢が人間のクリエイティビティに何かしらの影響を与えていることは間違いなさそうですが、それを科学的に証明することはできるのでしょうか?

夢の力を証明するのはとても困難です。なぜならそもそも睡眠に関する実験というのはだいたい睡眠前後の脳のパフォーマンスを被験者の覚醒時に計測するのがほとんどで、寝ているときに何からの実験をやってもらうのは寝ているので無理だからです!

しかし神経学者マシュー・ウォーカー博士とハーバード・メディカルスクールでマシュー博士と同僚のロバート・スティックゴールドさんはそんな問題を解決するある実験を思いつきました。

睡眠慣性を利用したワードアナグラム実験

みなさんは「睡眠慣性」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?これは英語では「Sleep Inertia」というのですが、簡単にいうと睡眠状態が覚醒時に脳内で少しキャリーオーバーしちゃう短い時間のことを言います。

つまり少しまだ寝ぼけてる状態のやつのことです。

実はレム睡眠やノンレム睡眠と呼ばれる睡眠のステージから目覚めたとき、脳はすぐに覚醒状態へと切り替わらず、少しの間はそれぞれの眠りのステージの脳の状態が継続するのです。

マシュー博士たちはこの睡眠慣性を利用して夢の持つ「創造の保育器」の効果を実証できないかと考えたのです。

夢のクリエイティビティを確認するために実際に行ったテストがワードアナグラムテストです。

これはまず被験者に5文字の文字を見せます。(例「OSEOG」)これはある単語のアナグラムになっており、(答えは「GOOSE=ガチョウ」)それを制限時間内にできるだけ多く答えてもらうというものです。答えになる単語は1個のみで、答えが複数ある問題は出題されません。


※余談ですが、カナダではガチョウのこいつらが道に普通にいっぱいいて怖かったです。

このテストをノンレム睡眠の夜早くと遅くの2パターン、レム睡眠も夜早くと遅くの2パターンの計4パターンの脳の状態を使って、被験者が睡眠慣性の状態のときにこのワードアナグラムテストを行ってもらい、それぞれのパターンで被験者が何問の問題に答えられたかを計測しました。

脳は無理やり起こされると、より睡眠状態に近い脳の状態で睡眠慣性が働くので、被験者は一晩の間に4回強制的に起こされることになりました。(かわいそうに…)

そして睡眠慣性の短い時間を考慮し、テスト時間は1セッションあたり90秒の制約を設けることにしたので、被験者は眠る前にテストの説明を受け、さらに起きている間に何問か練習をして、MRIの計測器を頭と顔につけた状態で眠りにつきテストに臨みました。

この状況を想像するとちょっと面白いですね。

マシュー博士「はい!起きて!起きて!」
被験者A「んっ?んーーんっ?」(寝ぼけてる)
マシュー博士「はい!問題です!はいどうぞ!答えは!?答えは!?」
被験者A「んっ?んー、うーーんと、、、うーーんと、、、APPLE」(超発音良い)

結果はというと、ノンレム睡眠状態から目覚めた状態では特に結果に目立ったところはなかったのですが、レム睡眠から目覚めた脳は、ノンレム睡眠とさらに覚醒状態の脳と比べて15〜35パーセントも多くの問題に答えられたのです!(言ってませんでしたが、夢はレム睡眠中に見ます!)

しかも答え方も特徴的で、ノンレム睡眠や覚醒状態の脳が割とロジカルに思考していたのに対し、レム睡眠の脳はその脳の反応速度から見ても答え方が「瞬発的」で被験者の感想も「なんか答えがパッと浮かんだ」と自身がレム睡眠時から覚醒したことも知らずにそう答えていました。

記憶のネットワーク

さらにスティックゴールドさんは夢のクリエイティビティの力をさらに実証するために、別の実験にも取り組みました。

人間の持つ様々な記憶はその関連性をもとにネットワークを構築し処理されるのですが、その記憶の処理のプログラムがノンレム睡眠とレム睡眠のときでどう違うのかを確認しようとしたのです。

上記のような感じで連想ゲームのように記憶は繋がっています。
※出典「Matthew Walker “Why We Sleep”」

今回も睡眠慣性を利用してこのネットワークがどのように動くのかをコンピューターを使ったテストで実験しました。

結果はみなさんの想像通り、ノンレム睡眠と覚醒時の脳のネットワークは関連性に沿ってロジカルに動いたのですが、レム睡眠の夢状態の脳のネットワークはこの関連性が崩れ、より遠くの記憶へとジャンプするようになったのです。

なんかもう夢の脳って「当たり前はつまらん!ショートカットや!ロジックとか関係ないわ!」みたいな感じですんごく自由な感じなんですかね。確かにこれだったらクリエイティブなアイデアが偉人たちの夢の中で生まれてきたのも納得できます。

マシュー博士も「覚醒時は情報と言う名の星座を望遠鏡の逆から見ようとするみたいなもんで、とても視野が狭い状態になっている。でも夢の脳ではちゃんとした方向から望遠鏡を使って情報の星座の全体像を見ている感じ」って言ってました。

そしてPart3へ…

ここまでが夢を見ている時の脳がどのように動いているのかの説明になりまっする。

夢を見ている時の脳って本当にすんごくクリエイティブだったんだね。自分では全然気づいていませんでしたよ。

ただ問題はこの先で、この脳のクリエイティビティは現実世界でどのように機能しているのか?というところだと思います。

と言うわけで、この時点でもうすでにまあまあな文字数になってしまったので、続きはパート3に引き継いじゃおうと思います!

うん。僕はこの量を元々は一つの記事にまとめようとしてたのか。

見積もりがすんごく甘いね!

それじゃ続きが気になるお方はぜひ次のおパートもご覧くださいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

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