スマホはドラッグ Mobile Phones – Our New Drug –

一言物申したい

みんなスマホが大好き

拝啓

こんちくわ。クラッシャーです。

最近急に寒くなってきたね。

今年はあったかさから寒さへのグラデーションがあんまりなかったね。もう少し夏から秋にかけての期間が長い地域があったらそこに移住したいわ。

というわけでみんなスマホは毎日どれくらい使ってますか?

僕はこの前1週間のScreen Timeの平均が3時間23分とかってスマホに言われました。

ただ毎日パソコンも触ってるから、トータルのScreen Timeはおそらく5時間とか6時間とかいっちゃってると思うわ。

やばいでしょ。

1日の4分の1スクリーン見ちゃってるってことだからね。自制しないと。。。

みなさん僕が以前こちらの「人間ってこれ環境の変化に適応できてる? The Attention Fix」という記事で紹介したこちらの本は覚えてますでしょうか?

スウェーデンの神経学者 Dr Anders Hansen (アンデシュ・ハンセン博士)「the attention fix 〜How to focus in a World that Wants to distract You〜」(邦題「スマホ脳」)です。

この本によると、人が1日にスマホを触る時間の平均は一般的にだいたい3時間くらいで、1日に2600回スマホをタップとかスワイプしていて、起きてる間平均で10分に1回くらいのペースでスマホをチェックしちゃってるらしいです。

また、3人に1人(18歳から24歳は50パーセント)は起きている時間だけでは足りず、夜中にも最低一回は起きてスマホをチェックしてるみたいです。

さらにある調査では40%の人がスマホを1日使えないくらいだったら、1日声を出せない方がいいと答えたそうです。

確かに電車見渡せばみんなスマホ、ジムでもスマホ、夜ご飯でもスマホ、暇さえあればスマホスマホスマホ!

やばいでしょ。

なんで人はこんなにスマホを触っちゃうのか。

それはスマホにはある理由ですごい中毒性があるのからなのですが、、、

今回はそちらについてをこの本から紹介したいと思います!

それでは早速、(良い意味で) 社会をクラッシュクラッシュ!
(意味不明ですいません。現在自分にあう合言葉を模索中。NHKをぶっ壊す的な。)

ドーパミンエンジン

端的にいうと、スマホ中毒になってしまうのは脳からでるホルモン「ドーパミン」ちゃんのせいです。

これは脳の報酬系と呼ばれる回路を刺激することから報酬ホルモンや快楽ホルモンとも言われるもので、これが脳内で生成されると人は快楽や幸福感を感じることが知られています。

ドーパミンが出るタイミングとしては主にご飯を食べたときや、人と交流した時、SEXした時などです。

しかし、日々の朝ごはんを毎日超絶楽しみにしていて、朝ごはんのことが頭から離れない朝ごはん中毒の人はいないと思います。

これはなぜなのかというと、確かにご飯を食べるとドーパミンは生成されますが、普通に毎日ご飯を食べているだけだと脳内で生成されるドーパミンの量が徐々に減っていくからです。

つまり毎日確実に得られる保証のあるものに人は魅力を感じないように設計されているのです。

そしてその後、実は人間は空腹時に食べ物を見ただけでも脳内のドーパミン量が上昇することが発見されました。

あれ?食べた時じゃなかったっけ?快楽ホルモンでしょ?

多くの人がそう思ったと思います。僕も最初そう思いました。

なぜ食べ物を食べた時ではなく食べる前からもうすでに脳内のドーパミン量が上昇したのか。

それは、脳が人間に食べ物を食べる選択をさせたかったからです!

そう。ドーパミンの本質とは快楽そのものを与えるというよりも、むしろ何かをするためや、何かに集中させるためのモチベーションを与えることにあったのです。

このことからドーパミンは実はエンジンとしての役割の方が大きいということが知られるようになりました。

そしてこのモチベーションの源ドーパミンこそが人間がスマホにどっぷりとハマってしまう原因になってしまうのです。

‘New’の魔力

ドーパミンが脳の報酬系で果たす役割は、前回この本を紹介した記事でも説明した「HPA axisセンサー」のように、人類が誕生してから何百万年もかけて発達してきたシステムなので、現代においてはその生活環境の違い・ズレなどからうまく機能せず、むしろ人間に悪影響をもたらすことがあります。

そしてその筆頭がスマホ中毒といってもいいでしょう。

ではなぜそもそもこの人間にモチベーションを与えるシステム「ドーパミンをはじめとした脳の報酬系システム」が発達してきたのか。

それは、もちろんすべての生物進化の基本原則である「Survive and pass on our genes (生き残って子孫を残す)」に従ってきたからです。

つまり生き残るために必須のスキルだったということです。

この進化原則の観点から考えると、人間は常に知識に飢えているはずです。

私たちはこの世界について知れば知るほど、生存確率を高められるからです。

天気がライオンにどのような影響を与えるのか、獲物のカモシカがどんな時に注意散漫になるのか、それぞれ知っていれば獲物になる代わりに食料にありつけます。

新しい情報は生き残るための必須の要素。ではそれを理解した脳はどうするか。

そうですドーパミンです!

新しい情報を得ると脳がドーパミンを出すように進化したのです。そうすることで脳の報酬系が刺激されるようなシステムを構築したのです。

さらに新情報だけではなく、新しい環境や新しい経験などの形で目新しさや珍しさ、新鮮さなども重要に感じさせるように進化しました。

また、どうやら脳が持つドーパミンを生成する細胞は新しいことにしか反応しないようです。

これが毎日の朝ごはんにドーパミンが全然生成されなくなっていって中毒にならない理由ですね。

そして人間がついつい新しい環境、新しい人々、新しい経験を求めて挑戦してみたいと思うのはその方がきっと生き残る確率が上がったからなんですよね。

逆にこの衝動に欠けた種は淘汰されてきたはずです。

なので人間はとにかく‘New’が大好きなんです!

そして時は進み現在、もちろんスマホやPCで情報を得てもドーパミンがでます。

あるデータでは私たちは訪れるページのほぼ1/5を4秒以下しか閲覧せず、10分以上そのページにステイする確率は4パーセントらしいです。

いま見ているページよりももう次のページが気になってしまう。

これはWEBサイトだけではなく、メールやメッセンジャー、SNSをチェックすることも同じで、とにかく新情報を求めてスマホやPCを触り続けてしまうんです。

そう、狩猟時代の我々の祖先が新しい場所や環境を探し求め続けたように…

そしてこの‘New’の魔力に加え、あるもう一つの魔力によって人は一層スマホ中毒へと拍車をかけてしまうのです。

Maybeの魔力

このドーパミンをはじめとした脳の報酬系ですが、これを最も動かすトリガーは、お金や食べ物、SEXや承認などではなく、実は期待 ‘Maybe’ なんです。

もしかしたら報酬が得られるかも、という不確実さに人間は最も惹かれるように設計されているのです。

これを証明した実験が1930年代に行われた「マウスのレバー実験」です。

この実験で、レバーを引いた時に餌を与えられたマウスは、時々餌を与えられた方がレバーをより多く引きました。

特に30%〜70%の確率で餌が出てきた時の方がよりレバーを引いたそうです。

そしてその20年後、今度はお猿を使った実験も行われました。

その実験で、ある音が鳴った時にジュースを与えられたお猿は、最終的にはその音を聞いただけで、しかも実際にジュースを飲んだ時よりもドーパミンのレベルが上がったらしいです。。。

なので、ドーパミンは快楽を与えるというよりは、何をすべきか何に集中すべきかを伝える役割の方が大きいということです。

そして、その音が鳴って時々ジュースをもらえたときの方がお猿のドーパミンレベルがより一層上がったそうです。

これは人間にも同じことが言えて、「カードを引いたらお金がもらえるかも実験」では確定でお金がもらえる時よりも、お金がもらえる保証がない時の方がドーパミンレベルが上がりました。

なので脳にとっては不確実な未知の報酬が一番脳にキマるということです。

なぜこうも’Maybeの魔力’に惹かれるのか、それはやはり狩猟時代は食べ物が少なかった時代ですから、脳が人間に食べ物を捜し回させるために、時々実がなる木に興奮するように脳のシステムを構築したからでしょう。

「前回は実がなってなかったけど、今回はなってるかも…」的な感じで、まあ探すと体力を使ってしまうので命がけのギャンブルですけどね。なので人間がギャンブル好きなのはそういうことです。

ギャンブル依存症はこのような脳のシステムの結果なので、人によっては非常にコントロールが難しいのです。より人間らしいとさえ言えるかも。

「あと一回、あともう一回。次のポーカーのラウンドでは勝てるかも…」

カジノなどのギャンブル会社はこの人間の脳の報酬系システムを熟知していてそれを利用しています。

これと同じことがスマホでも起きます。

メッセージの通知音が鳴った時に、「あ、大事な情報かもしれない」とスマホを触ってしまうのです。そしてあなたのドーパミンレベルはメッセージそのものを見たときよりも、その通知音を聞いた時の方が上昇しています。

まあつまりあなたはスマホを使っているようで、スマホに使われているんだってことです。

これが‘Maybeの魔力’で、これを利用しているギャンブル以外の代表的な業界がSNSです。

SNSとその開発者たち

Facebookなどの投稿にいいねをもらうと人間の脳はドーパミンが出ます。これは人間が集団生活の中で周りからより多くの承認を得られれば、それだけ自分の価値が上がったことの証明になるので、その集団の中で重要な存在として認められ生き残る確率が上がったからでしょう。

そしてFacebookやInstagram、SnapchatといったSNSを運営している会社はそのことを熟知していて、人々の脳をどうやってハックできるのか脳科学者などを雇って日々奮闘しています。

例えばSNS上で自分の投稿に誰かがいいねを押したとします。しかしそのいいねの通知はすぐに投稿者に伝えられることはありません。

みなさんもうおわかりのように、人間の報酬系が一番活性化されるタイミングを狙っているんです。

つまり’Maybe’の魔力が最大化されるタイミングを待ってから通知を送るということです。

そうすれば人々が「そろそろ誰かいいねしたかもしれない。いまみれば報酬を得られるかもしれない」と思って何度もSNSをチェックしてしまうだろうというわけです。

そしてそのことをもちろん知っているSNSの開発者たちは日々どう過ごしているのか。

実はみんなスマホ中毒にならないようにScreen Timeに関して厳しい制限を設けている人が多いです。

アメリカ人のジャスティン・ローゼンシュタインさんは自分のスマホに親が子供のために使うスマホ制限システムを入れています。

彼はFacebookのいいねボタンを開発した張本人なのにです。

そして彼はあるインタビューの中で「人間が良かれと思って開発したものが、ネガティブな結果をもたらすことがある」と少し後悔しているように話しました。

また、IPadの開発に携わったAppleの代表者の1人トニー・フェイデルさんは「ある朝起きて、ふと私たちはこの世界に何を生み出してしまったのだろうかと考えたことがある。私の子供たちからテクノロジーを取り上げたらどうなるかは簡単に想像できる。彼らはとても感情的になってそれを2、3日引きずるだろう」と話します。

そしてIPhoneを世に出したスティーブ・ジョブスは世界にその素晴らしさを伝えている一方で、自分の子供たちには厳しいScreen Timeの制限を課していました。

彼は「ローテック・ペアレント Low-tech parent 」だったのです。

そして極め付けは、Microsoftのビル・ゲイツで、彼は自分の子供たちが14歳になるまでスマホを与えなかったみたいです。

まとめ

というわけで以上が人がスマホに夢中になりすぎて中毒になっちゃう理由です。

まとめると、人間は’New’の魔力に魅せられスマホを触り、そして’Maybe’の魔力に従ってスマホを何度も見てしまう。

さらにはSNSやスマホ会社は人々にスマホをたくさん触らせようとあの手この手で人間の脳をハックしようと日々奮闘中ってことです。

大学生700人を対象にしたスマホ習慣を調べた調査によると、1/3がめっちゃ中毒で夜もスマホから離れられない生活をしていたそうです。そのせいで日中も疲れていたそうです。

そしてSNS会社などのメインのターゲット層はタイプAの性格をもつ人々と言われています。

これは「自尊心が低いけど競争心が高く自分に多くのプレッシャーを与えてしまう人」らしいです。

逆に「よりマイペースで自分の人生に対してリラックスな態度を持っている」タイプBの性格の持ち主には同じようなスマホ中毒の傾向は見られなかったみたいです。

まあ、人間の脳をハックして金儲けをしようと考えているやつはただのクズで社会悪だとは思いますが、それに対しては知識を持って理性的に対抗するしかないです。

スマホはもちろん便利なものなので、ようは使い方次第。

とにかく僕たちは「スマホは使っても使われない」を合言葉に日々楽しくスマホライフを送っていきまっしょい!

今度はさらに発展して、長時間のスクリーンタイムが体に及ぼす影響についても機会があったら紹介したいと思います!

それじゃあみんな今回はこれで終わりや!またお会いしましょう。

敬具

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