クラッシェンの5つの仮説 〜続きの続き〜
どうもみなさんこんにちこんにちわ!
クラッシャーでっすー!
この記事は前々回と前回の続きです!
そして、今回でとりあえずLanguage Acquisition(言語獲得)のお話は最後になります!
前回と前々回の記事を読んでない方は、リンクを貼っておきますので、まずはそちらの記事をぜひ読んで見てくださいね!
日本人が知るべき言語学習の常識 Language Acquisition Part 1
日本人が知るべき言語学習の常識 Language Acquisition Part 2
それでは第4の仮説の続きからです!早速やっていきまっしょい!
余談① 英語を話すのは練習にはならない?
第4の仮説「The Input (Comprehension) Hypothesis (インプットの仮説)」についての余談です。
前回説明した、言語学習は理解可能なインプットさえしていればよいと言うことが正しいとすると、いくつかの画期的な理論が導き出されます。
まず1つ目が、、、
話すことは練習にはならない!…です
これはどういうことかというと、ある言語を話せるというのは、言語獲得(つまり理解可能なインプットの蓄積)の結果なので、話すことそれ自体があなたの言語能力を向上させることはないというものです。
つまり、もしあなたが毎朝鏡に向かって英語をいくら練習しても、いまのそのレベル以上に成長することはないということですね。
まあ確かに。今持ってるボキャブラリー以上にその言語を話すことは不可能ですから、その通りなような気がしますね。
ただ、クラッシェンは間接的に、話すことが言語獲得の手助けになるとも言っています。
相手に何か話すと会話が生まれますよね?会話が生まれれば、相手もあなたに向かって何かを言ってくるはずですから、そこから理解可能なインプットを得ることができます。そうすれば言語獲得ができ、あなたの言語能力は向上します!
言語学習においての会話に大事なのは、自分が相手に何を言うのかよりも、相手があなたに何を言うのかなのです!
じゃあ話すこと自体に何かよい効果はないのでしょうか?
クラッシェンはこの疑問についてこう答えています。
話すことにも実は良い効果があると思っている。それは、その第二言語を話すユーザーとしての意識がより高まると言うことだ。これは5つ目の仮説、「The Affective Filter Hypothesis (感情バリアーの仮説)」でも少し触れるが、それはまるで自分がその言語クラブのメンバーであるかのような錯覚を覚えさせる。
確かに、僕も英語を勉強していますが、誰かと英語で話してる時ってまるで自分もアメリカ人とかカナダ人になったかのような、クラッシェンのいうところの錯覚を覚えることがあるので、そういう意識が実は大事だったのかな?
余談② 学校の文法教育の終焉
2つ目が、文法を学校の授業で教えるのオワコンなんじゃね?という理論です。
第4の仮説で、理解可能なインプットをし続ければ、「i+1」は勝手に現れて、次のステップへは自動的に進めるというお話をしたと思います。
クラッシェンに言わせるとこれは学校の文法教育の終わりを意味しているそうで、なぜかというと、文法的な正確さというのは言語学習において大切なゴールの一つだが、理解可能なインプットをする授業の方が、文法の授業をするよりも単純にもっと効果的だからです。
そして、文法を授業で教えるには4つの解決不可能な問題があると言われていて、その問題は理解可能なインプットをすることで簡単に解決可能だとクラッシェンは話しています。
では、それは一体どんな問題なのかというと、、、
- 生徒が授業を欠席したらどうするん?
大体の授業では1授業で1つの文法のルールを教えることになると思いますが、
復習クラスがコンスタントにない場合は、ある欠席をした生徒が単純に遅れを取り戻すチャンスが少ないのでは?という問題です。
しかし、理解可能なインプットを活用した授業であれば、豊富な文法のルールや語彙などの「i+1」を吸収できるチャンスがたくさんあるので、問題解決! - 生徒によって進度違うから同時にたくさんの生徒を教えるの無理じゃね?
生徒によって授業進度の個人差が出るのは当然のことですよね。ある生徒は授業以外でたくさんのインプットがあるのに対して、ある生徒はそのチャンスが少なかったりとかで、それぞれの語学力には個人差が出ます。なので、その日の授業テーマが過去形だった場合、ある生徒はもうそのルールを知ってて、ある生徒は全然知らないみたいなことが起きて、そのクラスの全員に同じ授業するのは難しいですよね?
でも理解可能なインプットの授業だったら、そもそもどの生徒がどの進度なのかを知る必要はなく、それぞれがそれぞれの異なった「i+1」を吸収していけばいいだけなので、先生はただ生徒にたくさんの理解可能なインプットを与えてあげればOK!問題解決! - そもそも先生が文法完璧にするの無理じゃね?
文法を教えること自体がそもそも難易度が高いですよね。なぜなら文法のルールは基本細かくて複雑ですし、しかも日々新しいルールが言語学者によって見つけられています。それに伴って文法書もどんどん複雑になっていきますから、もう文法教えるの無理ゲーじゃね?って僕も英会話で子供に教えてたとき思ってました。
でももう説明するまでもないですが、理解可能なインプットをしていれば、先生がある文法のルールを知っていようがいまいが、言語学者が新しい文法のルールを見つけてようがいまいが、生徒は関係なくどんどんそのルールを吸収していけるので、問題解決! - シンプルにつまらない
これが一番の課題ですね。文法そのものが多くの生徒にとってめっちゃつまらなく、退屈なものであることは事実でしょう。たとえば、はーい!みなさん!今日の授業は関係代名詞ですよ!
カンケイダイメイシ?
なんかつまんなそう…よし寝よう!ということがいたるところで発生していると思います。
でも、理解可能なインプットをする形式の授業なら、先生は生徒に面白くて理解可能なメッセージを与えてればいいので、問題解決!
ということで、以上が文法を授業で教える問題点とその解決策でした。
ちなみに、もうみんな忘れていると思いますが、2つ目の仮説「The Natural Order Hypothesis (自然な獲得順序の仮説)」のところで、自然な獲得順序に合わせて言語を教えることはできないと言いましたが、その理由は、自然な獲得順序は理解可能なインプットによって勝手に生まれるからです。勝手に生まれてくる順序に沿って意識的に言語を教えていくって無駄ですよね?
それでは次の第5の仮説でラストになります。最後はめっちゃ短いです。
③The Affective Filter Hypothesis (感情バリアーの仮説)
ラスト第5の仮説は「The Affective Filter Hypothesis (感情バリアーの仮説)」!
これはどんな仮説なのかというと、ある言語のインプットをするときに、あなたがもし、とても不安な状態で、しかも自己肯定感が低い場合、そのインプットを理解できるかもしれないが、心理的なバリアーによって脳にちゃんと到達しないで阻害されてしまうというものです。
インプットが到達する脳の領域のことを言語学用語で「言語獲得の装置」と言いますが、
インプットがこの装置にちゃんと到達しないので、学習効率が下がってしまうということですね。
心理的に不安定な状態だと、言語を話すことの効果のところでクラッシェンが主張したように、その言語のメンバーの一員として自分を感じることができなくなってしまい、そのような心理的バリアーができてしまうみたいです。
これはなんかめっちゃわかります。なんか不安な時って相手の言ってる英語がよくわからなくなりやすいような気が個人的にはします。反対に家で一人でヒャッハーしてる時って不思議とYouTube動画の言ってる内容とかめっちゃ頭に入ってくるので。
あとそのメッセージが自分にとって興味あるのかどうかとかもめっちゃ重要ですよね。興味あるとどんどん知りたくなって理解力が向上するような気がするからです!
まとめ 本当の英語教育改革へ
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございました!
このクラッシェンの5つの仮説を最初に読んだときは「早くだれかに教えたい!」と思ってワクワクしてましたが、いざ日本語でこれをまとめるてみると、思ったより量が多くてビビりました!笑
この仮説は1970年代から1980年代にかけてクラッシェンによって確立されたものです。
このブログを書いている今現在は2023年なので、もう50年〜40年近く前から提唱されていたことなんですよね…
日本どんだけ遅れてんねん!
ただ大阪の四天王寺大学で教鞭をとられているBeniko Mason教授はこの仮説をもとに作ったメソッドで英語を教えているらしいので、やってる人はやってるし知ってる人は知ってるしといった感じでしょうか?
僕はとにかくこの仮説を日本中に広めて、日本の英語教育をぶっ壊して、ついでに英会話教室ビジネスもぶっ壊して、よりみんなが簡単に、楽しく、そしてお金をかけずに英語とか色々な言語を獲得できる仕組みを作りたいなと思ってます!
そのためにはこの仮説をまずは広めなきゃだなと思ったので、いいねと思った人は知り合いとかに教えてぜひ拡散してね!
英語学習に限らず、言語学習でやることはとにかく面白くて興味深いメッセージをたくさん受け取って理解する!
それだけです!
具体的にはこんなやり方で学習をしたらええんやで!というのがあるので、それはまたいつか機会があったら紹介します!笑
あとちなみにこの仮説の原文にはまだまだ続きがあるので、それもまた近いうちに紹介したいと思います!この仮説が書いてあるPDFリンクを下に貼っておくので原文で読みたい人はぜひ読んでみてください!
じゃあまたねん!