首都直下地震が30年以内に起こる確率70%!
こんちわ!クラッシャーです。
先日、友達とボーリング大会をしてきました。
僕が主催で「真のボーラーを決める」ということをコンセプトに、僕の独断と偏見で「こいつには”真のボーラー感”が漂っとるなあ」と思った方に記念品を贈呈するってことをしました。
そしてその記念品というのがこちらです。
これは、所沢ベース:かず工房で作った(ただ家で作っただけ)オリジナルTシャツ「I AM THE BOWLER T-shirt」です。
今後は、この所沢ベース:かず工房で、KTU(Kazutoyo Universe)のオリジナルグッズ制作をしていこうと考えています。(ちなみにKTUとはMCU “マーベル・シネマティック・ユニバース” 的な感じで、僕にまつわる様々な世界観を集合させた概念のこと)
例えば、クラッシャー KAZUMACHI オリジナル缶バッチ(1個200円)とか、Mokazuキッチン特製餃子(12個セット 600円)、所沢ワンちゃんズ(草バスケットボールチーム) オリジナルJersey (1着 1500円)などを販売していこうと思ってなす。
そして、先ほどの「I AM THE BOWLER T-shirt」をあげた人には申し訳なかったんですけど、「一応一回洗濯してみた方がいいか」と思って洗濯したら、アクリル絵の具がボロボロになって出てきました。。。びっくりしました。
「あれれ〜?おかしいな〜?僕の見たYouTubeでは、アクリル絵の具は落ちずらいから洗濯しても大丈夫って言ってたはずだけど。」
そのあと、なんとかもう一回塗り直しましたけど、最初にできた感じには戻らなくてちょっと落ち込みました。。。
あげた人もしこのブログ見てたら、それ最悪別に全然雑巾とかにして好きに使っちゃって大丈夫なんで!
次回はシルクスクリーンという、ちゃんとしたプリント技法があるので、それを試してもっとクオリティの高いオリTを製作してみたいと思ってまっする。
ちなみに「逆 真のボーラー」の方にはこれを贈呈しました。
※これをあげた人も、ちょっとボロボロになっちゃってすいませんでした。。。好きに使ってやってください。
はい。というわけで今回は、最近、地震についての超重要情報をゲットしたので、皆さんにシェアしたいなと思います。
この情報は、ある日、気候変動系の動画をYouTubeで見てた時のことです、偶然ある人物の動画がおすすめに上がってきて、ちょっと見てみたところ「あれ?日本まじでやばくね?」ってなってゲットしたものです。
そしてそのある人物とはこの方。
京都大学名誉教授で地球科学者の鎌田浩毅さんです。
以下に簡単なプロフィールを載せておきます。
鎌田浩毅 (かまたひろき) 1955年生まれ 69才。
日本の地球科学者。京都大学名誉教授。専門は火山学・地球変動学・科学教育・アウトリーチ。
1979年に東大理学部卒業後、通産省(元総務相)に入省。同省の地質調査で火山に魅了され、米国内務省カスケード火山観測所客員教授などを経て、1997年に京都大学大学院人間・環境学研究科・総合人間学部教授を24年間に渡り歴任した。
そして、何がやばいのかというと、「日本は今後、かなり近い将来に、2つの大地震と富士山噴火によって、多くの人が被災することが確定している」ってことです。
なぜ確定しているのかについては、まず地震の基礎知識から順を追って説明していきたいと思います。
それでは早速行きましょう!社会をいい意味でクラッシュクラッシュ!!
今回紹介する情報の多くは、鎌田先生の無料講義の動画や資料、または各地震情報系WEBサイトの資料などを参考にして引用しています。
以下に鎌田先生関連の動画リンクや資料のPDFをまとめて貼っておくので、興味のある人は見てみてください。
参考動画①:「京都大学最終講義 “地震 噴火 温暖化は今後どうなるか”」(約90分)
参考動画②:「南海トラフ巨大地震・首都直下地震・富士山噴火に備える『大地変動の時代』に入った日本の処方箋」(約14分)
参考動画③:「京都大学レジリエンスフェスティバル 自然災害レジリエンスpart1」(解説部分は約20分)
地震の基礎知識「なぜ日本では地震が多いのか?」
地震の仕組み
なぜ日本では地震が多発して「地震大国」と言われているのか、まずはその理由から説明していきたいと思います。
地震には大きく分けて、海の地震と陸の地震の2種類あります。(※本当は火山性の地震など、他の種類の地震もあるのですが、今回は長くなるので割愛します)
最初に、海の地震と呼ばれる「海溝型地震」から説明していきます。
・海の地震「海溝型地震」
地球はプレートと呼ばれる10数枚の大きな板で覆われていて、日本列島はユーラシアプレートと北アメリカプレートの上に乗っかっています。
※出典:GISで見る地形オープン教材
※拡大図 (出典:TOPPAN 防災のこころえ)
上の図を見てもらうと、日本海があるのでわかりずらいですが、日本はユーラシアプレートと北アメリカプレートの端っこに位置していて、実際には西日本は海の下ではユーラシア大陸と繋がっています。この2つのプレートのことを大陸プレートといいます。
また、日本の右側には太平洋があり、その太平洋は太平洋プレートとフィリピン海プレートと呼ばれるプレートの上に乗っかっています。
こちら2つの構造も日本がプレートの上に乗っかっているものと一緒ですが、もちろん太平洋は水でプレートとは直接繋がっていないので、こういったプレートのことは大洋プレートといいます。
そして、このプレートたちは常に動き続けています。スピードとしては1年に約8cmずつで、爪が伸びる速さと一緒です。
この太平洋プレートやフィリピン海プレートが、ユーラシアプレートと北アメリカプレートに向かってズンズン進んできていて、さらにそれが各大陸プレートの下にどんどん潜り込んでいってます。
そうすると、大陸プレートもそれに巻き込まれる形で、どんどん下に沈んでいきます。
そしてある時点で、巻き込まれた大陸プレートが巻き込みに耐えられなくなって、プレートが跳ね返ります。例えるならば、下敷きをU字型に曲げて、手を離した時にバイーンとなるみたいな感じです。この大陸プレートに溜まっていく力のことを「ひずみ」といい、「ひずみが溜まっている状態」「ひずみが限界に達した状態」などと表現します。
※出典:TOPPAN 防災のこころえ
ひずみの解放の衝撃が海の地震「海溝型地震」の正体で、このタイプは特にプレート間地震と呼ばれ、東日本大震災などがこれにあたります。
また、このプレート間の摩擦によって、海洋プレート内部でも地震が発生することがあり、それを特にプレート内地震と呼びます。
・陸の地震「活断層型地震」
2つ目の地震は、陸の地震「活断層型地震」です。
この地震は、先ほどの説明の通り、太平洋プレートとフィリピン海プレートが日本側にグイグイくる影響で、大陸プレート内の地盤が柔らかいところが、下の図のように、その押してくる力などによって耐えられなくなり、上下左右や水平方向などにずれます。その地上にずれて出てきた地盤のことを断層と言います。
※出典: wheathernews
そして「活断層」とは”活きた”断層、つまり今後まだズレる可能性のある断層のことを指します。
みなさんに知っておいて欲しいことは、地震大国日本にはこの活断層が2000本あるということです。
※日本全国の活断層の分布マップ (出典:J-SHIS Map)
※J-SHIS Mapでは様々な地理的地震情報が手に入ります。住んでる地域の地盤の硬さも調べられるので、地震のときに住んでる地域が揺れやすいかどうかとかも調べられます。
基本的に地震はその発生の周期が決まっており、活断層での地震発生の周期は数千年〜数万年でかなり長いと言われています。
しかし、この活断層たちが現在、ある理由によって、かなりの数がスタンバイ状態(いつまたズレて地震になってもおかしくない状態)になっています。(その理由は後述します)
というわけで、陸の地震「活断層型地震」とは、大陸プレート内のある地点の地盤がめっちゃズレる現象のことで、阪神・淡路大震災などがこれにあたります。(この時ズレて地上に出てきた部分は2mだけでしたが、最大震度は7)
まとめると、日本で地震が多発する理由は、日本列島がユーラシアプレートと北アメリカプレートの端に位置していて、太平洋プレートとフィリピン海プレートがグイグイ日本に迫ってきているからです。(ちなみにもうかれこれグイグイ来はじめて2億年になります。ストーカー反対!)
ですので、日本が常にそのプレートたちの勢いを一身に受け止めなくてはいけない状態になっているので、地震が多発してしまうという訳です。
つまり、日本の立地は激やば杉内俊也(元読売巨人軍)だったということです。
以下は補足の参考資料
※地震発生のメカニズムまとめ (鎌田先生の資料より)
※出典:J-SHIS「海溝型地震と活断層地震」より
震度とマグニチュード
次に、地震のニュースでもよく聞く「震度とマグニチュード」についても、その違いを説明しておきます。
・マグニチュード
マグニチュードとは、地震そのものの大きさ(規模)を表す単位です。
マグニチュードは直接観測できないので、各地の揺れの大きさなどから推定され、正確な計算から導き出された「モーメント・マグニチュード(Mw)」と、速報性に優れた「気象庁マグニチュード(Mj)」に別れます。
マグニチュードが0.2増えるとそのエネルギーは2倍に大きくなり、1増えると32倍、2増えると1000倍になります。
東日本大震災はMw9.0でしたが、これは阪神・淡路大震災(Mj7.3)のおよそ335倍のエネルギーです。つまり東日本大震災は、阪神・淡路大震災335回分のエネルギーだったということです。
やばいでしょ。
・震度
一方、震度とは、ある大きさの地震が起きたとき、全国各地にある計測震度計によって計測される「揺れの強さ」を表す指標です。
マグニチュードの低い地震でも、震源から近ければ強く揺れますし、住む地域の地盤が柔らかいと、同じ規模の地震でかつ震源からの距離が同じでも、硬い地盤の地域に比べて強く揺れます。
※出典:TOPPAN 防災のこころえ
震度は0〜7の10段階で、震度6強を超えるものは全て震度7になります。
なぜ震度5と6だけレベルが細分化されているのかというと、1995年の阪神・淡路大震災の時に、旧震度階級では震度5と6は細分化されていませんでしたが、後の被害調査で、同じ震度5と6でも地域によって被害に差があることが判明したためです。
そして、震度を5〜9としない理由は、計測震度の数値と震度レベルの表記で齟齬が生まれて、様々な場面で混乱が生じることが予想されたからです。
※現在の震度階級を仮に震度9までとすると、計測震度6.0以上6.5未満が震度8となるなど、めちゃややこくなる。
※こっちの方がわかりやすい (出典動画:震度8が存在しない理由)
ちなみに、直近で震度7を観測した地震は以下の通りです。
あとは、今年1月にあった能登半島地震の最大震度も7でした。
ちなみに、震度8がない理由は、日本では今まで計測震度7.0以上の地震を観測したことがなく、震度8でどの程度の被害が発生するのかは、実際の事例がないため予測困難であること、またそもそも震度7の時点で最大級の対応をとるので、それ以上を作る意味がないからだそう。
津波の仕組み
次に津波についてです。
東日本大震災の死者のほとんどは津波による被害者だったそうです。
50cmでも足すくわれて死ぬらしいですからね。津波の知識も、特に今後ずっと日本で暮らすつもりなら、絶対に抑えておきたいところです。
津波が発生する理由は、先ほどの海溝型地震の説明の時に、大陸プレートの沈み込みが「U時型の下敷きが手を離したらバイーンってなる感じ」みたいに跳ね上がるって話をしましたが、その時、跳ね上がったプレート部分の力で海水が上に押し上げられます。
さらに、今度は逆に大陸プレートのひずんでた部分が下に凹むので、その押し上げられた海水が日本列島に向かって一気に流れ込んできます。それが津波の正体です。
※鎌田先生の資料より
そして、津波の波長(波の山から山、または谷から谷の長さ)は数km〜数百kmと長いため、津波はもはや波ではなく、ただの巨大な水の壁です。
※出典:TOPPAN 防災のこころえ
なので、みなさんもし近くで津波が発生した場合は、一目散に近くの高台まで全力ダッシュしてください。
「可能な限り早く高く」これが鉄則です。
東日本大震災でも津波の人的被害を免れた多くの例は、この原則に従ったケースでした。
ただ、急なBダッシュのためには、週1回以上のランニングトレーニングを忘れずに確実に紛うことなく日課にしておく必要があります。いざという時にすぐに逃げられるように準備をしておきましょう!
※津波の大きさと被害 出典:TOPPAN 防災のこころえ
また、津波は第一波よりも、第二波、第三波などの後から来襲する波の方が高いケースがあります。実際に、第一波のあとに、家に戻って被害に遭った人もいたので、絶対に津波警報・注意報が解除されるまでは非難を継続してください。
あと、津波の到達予想時刻は目安で、多少の前後がある場合があるので、その通りに来なかったとしても、やはり津波警報・注意報が解除されるまでは非難を継続してください!
(参考リンク:首相官邸「津波ではどのような災害が起こるのか」)
東日本大震災は1000年に1度レベルの地震
最後に東日本大震災についてです。
鎌田先生が言うには、この地震は1000年に一度レベルの大地震だったみたいで、これが発生したせいで、残念ながら日本はタイトルにもある通り、「大地変動の時代」に突入してしまいました。
前回このM9.0クラスの地震が起きたという記録は、古文書にちょっと記されてるくらいらしく、マジでかなり昔みたいです。
科学者たちにとっても、当初の想定はM7.0クラスだったので、これはだいぶ想定外の規模の地震だったようです。
上記の通り、この地震で2万人近い方が亡くなりましたが、そのうちの9割は津波による死者でした。
そして、この地震の後、大陸プレートが元に跳ね戻った影響で、日本列島の東側の地面がアメリカ方向に約5.3m引き延ばされました。(津波の時に示した鎌田先生の資料参照)
この引っ張りと地震そのものの衝撃が、日本全土の地盤に影響したので、各地の活断層の動きの活発化に繋がって、首都直下地震などの地震や火山の噴火が頻発する「大地変動の時代」に、日本は突入してしまったというわけです。(これが先ほど言及した、活断層の多くがスタンバイ状態になった”ある理由”です)
まずは、私たちはそういう時代に生まれて生きているということを理解して、そしてそれに対する備えをもっとしていく必要があります。
そして、この大地変動時代の三大イベントと言われているのが、「首都直下地震」「南海トラフ大地震」「富士山噴火」です。
次からは、それぞれについて、より詳しく見ていきたいと思います。
※今後予想される地震の発生場所、確率、そして規模の図 (鎌田先生の資料より)
首都直下地震について
今この瞬間に起きても不思議ではない
はい。と言うわけで、ここからがようやく本題です。
タイトルで「首都直下地震は30年以内に起きる確率70%」と書きましたが、鎌田さんをはじめ学者たちに言わせると、「首都直下地震は今この瞬間いつ起きてもおかしくない」のだそう。
どういうことかというと、まず、地震は複雑系科学と言われ、地震発生には様々な要素が関係するので、地震学会も何月何日に地震が起こるというような細かな事前予知はできないと宣言しています。
「明日100%地震がきます」とは言えないのです。
つまり「30年以内に起きる確率70%」と言うのは、それが地球科学の限界だからで、それは裏を返すと、予測計算の結果がだいぶ限界まで近づいてきてしまっているということ。
なので、この数字でイメージ湧きづらいかもですけど、それはいつ起きてもおかしくないとも言えるし、むしろそのように言うべきだと思います。
以前は僕自身も、なんとなく「あー。30年で70%か。。。うん!なるほど!ようわからん!」って感じでした。
そして、地球科学者の鎌田先生でさえ「その数字を言われてもあまり危機感がわかない」と思っていたらしく、「このままだと、みんなの防災意識が下がるから、この数字のやばさや地震についてもっと伝えていかないとやばい」と思って、アウトリーチという「もっと外に情報を届ける」活動をより積極的に始めたみたいです。
具体的には、いろいろな大手メディアに出たり、たくさん講演会をしたり、本を出版したりとかっていう活動です。(「Don’t Look Up」と一緒や。)
そして、僕もその活動の一端に運良く触れることができました。
そこからは、防災に対する意識がめっちゃ変わったので、今後も「いつ起きてもおかしくないから準備しておけ」って言ってもらった方がいいと思います。
まあ、実際そうですし、あとなんか、地震って忘れた頃にやってくるイメージもあるのでね。
今回、自分なりに色々勉強してみて、「日本に住んどいて、いままでの自分の防災意識はちょっと低すぎたな」と思いましたし、これは日本人が全員知っておくべき知識だとも思いましたね。
「30年以内に70%」という数字の根拠
ちなみに、この「30年以内に70%」という数字の根拠ですが、それは江戸時代から大正時代にかけて関東で発生した8つの地震です。
まずはこちらをご覧ください。
※出典:NHK「首都直下はいつ?」今後30年で70%の根拠は? より
この8つの地震は、1703年の元禄関東地震(M8.2)と、1923年の大正関東大震災(M7.9)の間に起きています。
1つ前の資料「今後予想される地震の発生場所、確率、そして規模の図」を見てもらえるとわかりますが、関東南部の沖合に「相模トラフ」があります。ここではフィリピン海プレートが北アメリカプレートの下に沈み込んでいます。
そして、この元禄関東地震と大正関東大震災の2つはいずれも、このプレートの境目である相模トラフで起きた海溝型の大地震です。
この2つの間に起きた8つの地震が「M7前後クラスの直下地震」でした。
直下地震というのは、「海溝型地震」や「活断層型地震」が人々の住む地域の真下で発生する地震のことで、首都直下地震という名前は、それが首都圏内で起こるという意味です。
※出典:内閣府防災情報「わが国で発生する地震」 より
地震調査委員会は「元禄関東地震」から「大正関東地震」までの220年間を1つのサイクルとして、今後のマグニチュード7クラスの大地震の発生確率を予測しています。
220年の間に8回発生しているので、単純計算で27.5年に1回です。
さらに、これをもとに地震学で用いられる将来予測の計算式に当てはめると、「首都直下地震が今後30年以内に70%の確率で起こる」という計算が導き出されるみたいです。
1923年の大正関東地震から2024年でもう101年経つので、サイクルの前半がもう終わろうとしています。
前回のサイクルではその後半にかけて地震が増え始めているので、こういった数字からも、鎌田先生たちが「首都直下はいつ起きてもおかしくない」と言うのはめっちゃ分かりみが深みですね。
さらに、もう一つ、この発生確率を裏付けるような懸念材料があって、それが1100年前の9世紀に起きた地震です。
こちらをご覧ください。
※出典:NHK「首都直下はいつ?」今後30年で70%の根拠は? より
869年「貞観(じょうがん)地震」
878年「元慶(がんぎょう)関東地震」
887年「仁和(にんな)地震」
西暦と起きた地震の関係は以上の通りです。
「貞観地震」は東北の太平洋沖合で起きたM8を超える巨大地震で、沿岸に大津波が押し寄せ、2011年の東日本大震災に類似しているとされています。
注目するのはその9年後で、当時の相模国、武蔵国(いまの関東南部)に激しい揺れをもたらした「元慶関東地震」が発生しました。この地震は「首都直下地震」にあたると言われていて、2011年から考えると、9年後というのは2020年です。しかもさらにその9年後には「南海トラフ」にあたる仁和地震も起きてます。。。
なんか色々一致してて、やりすぎ都市伝説っぽいよね。
これはただの歴史の事実で、首都直下の確率の根拠になってるわけではないとは思いますが、一応紹介してみました。
地震て、その発生の周期がだいぶ重要っぽいので、このデータも知っておいて損はないと思います。
それでは次に、具体的にどのポイントが危ないと予測されているのかを示します。
首都圏の19カ所の活断層
首都直下地震は、首都圏にある19カ所の活断層の内のどれかが原因で起きます。
今はモグラ叩き状態だと思ってください。
また、この19カ所には海溝型地震のプレート内地震の震源や、まだ断層になる前段階の地下に埋まってる隆起帯と呼ばれる震源なども含まれます。
それでは、こちらがその19カ所の図です。
※出典:NHK「首都直下地震 被害想定 死者2万3000人」より
こちらはそれに関する補足資料です。
※関東南部の活断層と過去に起きた大地震の震源の図 (鎌田先生の資料より)
これらが首都直下の震源となりうるポイントになります。
そして、こちらが都心南部でMw7.3の地震が発生した場合の想定震度です。
※出典:内閣府「首都直下地震の被害想定」より
こちらは被害の種類とその地域の図。
※鎌田先生の資料より
1つ覚えておいて欲しい安心材料としては、別にこれらの活断層による地震が連鎖的に起きるものではないということです。
しかしながら、防災意識を高めるためには、こういった情報から地震のイメージをより具体的に持つことが重要です。
被害予測 「19ヶ所の活断層どこで起きても被災者3000万人確定!」
被害予測は、以上の19ヶ所の活断層のどこで地震が起きても、被災者3000万人が確定で、最新の被害総額予想は約100兆円です。これは毎年の国家予算に匹敵する額ですが、これは単年の話です。科学者たちの間では、首都圏が長期間麻痺した場合、その被害は各地に波及的に広がっていくので、数年間の積算額で考えると、その数字は全然もっと大きくなるという試算もあるようです。
※出典動画:NewsPicks「南海トラフ地震や首都直下地震、富士山噴火。天才リスクのリアル」 より
ちなみに、100兆円というのは東日本大震災の時の5倍の規模です。
そして帰宅困難者が約650万人出て、家から電車で2時間の通勤をしている人は、もし徒歩で帰ることになった場合、帰るのに5日かかります。
※出典:内閣府防災情報「首都直下の被害想定と避難者・帰宅困難者対策の概要について」より
大地変動時代の三大イベントの1つ目「首都直下地震」の概要はだいたいこんなところです。
南海トラフ大地震(西日本大震災)について
「発生予測は2030年〜2040年のどこか!」
次に南海トラフ大地震についてです。
これは別名、西日本大震災とも呼ばれ、100年〜150年に1回のペースで起きている地震です。
ちなみにトラフというのは、海底が浅く凹んでいる場所のことをさし、海溝が急斜面で水深が通常6000m以上あるのに対し、トラフは水深が浅く幅が広いのが特徴です。
この地震の震源域は「南海地震」「東南海地震」「東海地震」の3つのエリアに別れます。
※東海地震の「空白域157年以上」の表記は、1854年から考えると2011年を基準にしていると思われるので、2024年を基準にすると170年間地震が起きていないことになる。(鎌田先生の資料より)
この地震はこの3震源域でバラバラに発生したり、一度に3箇所ほぼ同時に発生したりします。
こちらの地震は「30年以内に70%〜80%の確率で起きる」と言われていますが、首都直下の予測と性質が少し違うのは、南海トラフ大地震は2030年〜2040年(2035年±5年)の間に確実に起きるという予測があることです。
この「2035年±5年予想」の根拠は2つあります。
1つ目は上の図のように、周期が100年〜150年で決まっていること。
そして2つ目は、高知県の室津港の漁港の漁師さんたちが1707年ごろの江戸時代から、その地域の水位を計測してくれていたことです。
一度海溝型地震が起こると、地面が跳ね上がるのでその周辺の水位は浅くなります。そして、その水位から海底の隆起量を測定し、それと地震が起きたタイミングとの関係から、次にいつ地震がくるのかの予測ができるのです。
地面がたくさん跳ね返ると、また最大まで沈み込むのに少し時間がかかり、跳ね返りが弱いと次の地震までの期間は短くなります。これをタイム・プリディクタブルモデル(time-predictable model)と言います。
※南海トラフ地震のタイム・プリディクタブルモデル (鎌田先生の資料より)
ただこれについて、地震が起こる根拠としては、南海地震の測定データが以上の3つしかないので、その発生時期を怪しいと考える見識者もいます。しかし鎌田先生は、それでもそのような可能性が出た以上、それに備えなければいけないと反論しています。
僕も鎌田先生に同意ですね。
例えばそのデータの信憑生が揺らいで、地震の可能性が当初より低いかもしれないとなっても、ただぼーっと待ってる訳にはいかないですからね。
南海トラフ大地震の発生予測が、少し未来にずれたとしても、これが100年周期の地震と考えると、結局2050年ごろまでには絶対に起こると鎌田先生は話してますし、東海地震は前回の発生からもう150年以上経ってます。さらに言うと、結果として普通に当初のデータ通りに地震が発生する可能性もあります。
つまり、遅かれ早かれ来ます。いつ来ても大丈夫なように、絶対に早め早めに準備を進めておくべきです。
被害予測 「人口の半数約6800万人が被災」
そして、こちらが予想被害の概要になります。
※参考動画③:京都大学レジリエンスフェスティバルより
首都直下の時にも話しましたが、この被害総額220兆円は単年で、土木学会による20年間の積算だと、その額は最大で1410兆円になることも予想されています。
※震度分布図の補足資料。出典:井原市ホームページより
そして津波に関しては上記の通り、高知県で34mクラスの津波が2〜3分で到着すると予測されています。
34mが2〜3分と言うのは、11階建ての建物に2〜3分で登らなきゃいけないことと同義です。
オリンピック選手でも無理です。
ですので、日々の生活のあり方そのものから、防災を考えていく必要が出てくるのです。
しかも、これは高知が一番やばいってだけで、それは静岡県から宮崎県まで津波が来ること自体は一緒です。
東京湾にも2〜3mクラスの津波が2〜3時間で到達します。もし、地震によって防波堤などにひびなどが入った場合は、墨田区や江東区などの0m地帯は水浸しになって、地下鉄などにも水が浸水してくることが予想されます。
※都道府県別の想定津波高の補足資料 (鎌田先生の資料より)
最後に、西日本での直下地震の周期の補足資料もつけておきます。
※巨大地震の40年ほど前から内陸地震が増加する傾向にあります。阪神・淡路大震災がその基準点であるとも考えられていているので、南海トラフ大地震に向けて、内陸地震が今後増加する可能性が高いので注意。(鎌田先生の資料より)
と言うわけで、以上が「南海トラフ大地震」の概要です。
地震の基礎のところでも話しましたけど、地震の発生原因はひずみの限界からの、その力の解放による衝撃です。
地震が起きてなければ起きてないほど、ひずみが溜まってるってことなので、起きてない=安心ではないと言うことです。むしろやばいかもと思ったほうがいいです。
あと、富士山噴火します。
最後に富士山の噴火についてです。
日本には活火山(噴火記録のある火山、または噴火可能性のある火山)が111あり、東日本大震災の後、そのうちの20の火山の上で地震(火山性地震)が起き始めています。これはその火山が噴火スタンバイ状態になったことを意味します。
※太字が噴火スタンバイ状態の活火山 (鎌田先生の資料より)
そして、そのうちの一つに富士山も入ります。
実は、東日本大震災の4日後に富士山の下で直下地震が起きて、地下14kmの地点にヒビが入りました。そこで一時噴火するかと思われましたが、いま現在はなんとか持ちこたえている状況のようです。
※ 富士山の噴火スタンバイ状態とその変化の図。a,b,cの順番でマグマの位置が上がっていき、それに伴ってそれぞれに噴火の兆候が現れる。cの兆候の後、早ければ30分〜1日で噴火する。 (鎌田先生の資料より)
※気象庁が24時間体制で見張っており、現在は直ちに噴火する兆候はない。
このように、東日本大震災の後、富士山が噴火スタンバイ状態になってしまったので、静岡県沖での東海地震が発生した場合、それに伴って富士山の噴火が誘発する可能性が高いと言われています。
1707年の宝永地震(M8.6)の時には、その49日後に富士山が噴火しました。
記録を見ると、富士山は通常50年〜100年に1回のペースで噴火しています。
しかし現在は、前回の1707年の噴火以降、約300年間噴火していません。
ちなみに、宝永噴火は200年溜めてからの噴火でした。
その時に降った火山灰と同規模の降灰になった場合は以下の図のようになります。(当時は横浜で10cm、江戸で5cm積もりました)
火山灰はガラスのかけらなので、火山灰が降ると電気水道ガスのライフラインが全部止まります。そして、乾くと再び舞い上がり、水で掃除しようとすると湿気って固まるので下水をつまらせます。
火山灰を除去するには、スコップなどで掘って、袋に詰めて東京湾などに捨てるしかないです。
もし吸い込んだりすると、目喉鼻が花粉症どころじゃなく炎症を起こします。
※出典:エコノミストオンライン「鎌田浩毅の役に立つ地学」より
※今回は300年噴火してないので、前回より単純計算5割り増しの溜めだからもっとやばいかも。
火山灰が東に流れていくのは偏西風の影響で、首都圏側100kmにわたって降ります。これにより2兆5000億円の被害が出ると予想されていますが、これも例によって、「おそらく30兆〜50兆円規模に膨れあがるのではないか」と火山学者たちは想定しています。
東海地震は前回はパスしていて、現在そこには2回分のエネルギーが溜まっている状態なので、南海トラフ大地震の後で、富士山の噴火は確実に起きると鎌田先生は話します。
このままの生活様式でいいのか?
というわけで、以上が今回伝えたかった、命に関わる超重要情報の概要です。
まとめると、東日本大震災で1000年時計が動き出し、それが日本の活断層に影響を与えながら、首都直下の220年時計が後半に突入し、南海トラフの100年時計の終わりに従って、今後西日本の内陸地震も増えてくるってことです。そして、東海地震後に富士山が噴火するって感じですね。
首都直下とか、本当に起こったら復旧までにどれくらいの時間がかかるんでしょうかね。
今の多くの日本人の生活スタイルって、地震が起きることを全く想定してないよね?
やばいでしょ。
やっぱり、このブログでは何回も言ってきたけど、もっと「価値」から「使用価値」を重視する社会へと転換しないとやばいよ。
コロナの時でさえ、自国でマスク作れなくて大騒ぎしてたからね。どんだけ脆弱なのか。
タワマンとか地震きて電気止まったら、地上50階とか60階とかに住んでる人たちってどうするんだろうね?階段使って地上へ行ったり来たり何度も往復するつもりなのかな?
水とか食料とか、携帯トイレの備蓄とかの災害対策をしていない人たちは、明日首都直下がおきたらどうするんだろう?
もっと有事や災害を想定した社会構造にしないとマジでやばいよ。首都圏のライフラインが3日止まっただけでも、社会は一体どうなるのかと想像するだけでゾッとするよね。
というわけで、今回は以上です。
次回は、「じゃあ一体どんな防災対策をしてあげられるの?」ってことで、僕が勝手に考えた“防災対策TOP10”を紹介したいと思いまっする!
じゃあまたね。
おわり